2019/12/02 11:00

日本での香水人気の火付け役 「ミスディオール」人気の裏側

軽やかに全身で纏う
みずみずしく甘美な花々の香り

vol.059_Dior


1. 髪もフレッシュな花の香りでドレスアップ。ミス ディオール ヘア ミスト 30mL 4,500円、2. ピオニーとダマスクローズのアコードにベルガモットが溶け合い、ホワイト ムスクの官能へ。一番人気の香り。ミス ディオール ブルーミング ブーケ オードゥ トワレ 30mL 6,000円、3. 香りをつけ直したいときにピンポイントで使えるローラータイプ。ミス ディオール ブルーミング ブーケ ローラー パール 20mL 4,000円/パルファン・クリスチャン・ディオール

ディオール メゾンの誕生を飾った
ニュールックの香水

 今回は「ミス ディオール」にフォーカスしてディオールのフレグランスの世界をブラ魂!

 日本の女性は香水には消極的と言われる時代もあったが、今や若い世代を中心に香りを楽しむ人が増えている。

 ミス ディオールはまさに火付け役となった存在だ。人気の秘密は後ほど詳しくお届けするとして、まずはその歴史を振り返ってみよう。

 ミス ディオールが発表されたのは1947年2月12日、パリのアベニュー・モンテーニュ30番地にクリスチャン・ディオールがメゾンをオープンした日でもあった。

 初のコレクションが開催され、「バー」スーツが“ニュールック”と評され、センセーションを巻き起こすこととなるが、同時にミス ディオールを発表したのは、「香水は、女性らしい魅力に欠かせないものであり、ドレスの最後の仕上げでもある」というムッシュ クリスチャン・ディオールの強い思いから。

 単にフレグランスというだけでなく、ディオール メゾンの哲学を語る香りだったのである。



左:1947年、初コレクションに登場した「バー」スーツは“ニュールック”と称賛され、クチュール界に革命を起こした。右:花を愛したムッシュ ディオールの最高傑作と言える、49年に発表されたミス ディオール ドレスの美しさは圧倒的。

 この香りのミューズとなったのが、ムッシュ ディオールの実の妹であるカトリーヌだ。

 ローズやジャスミンの花々からなる優雅で魅惑的な香りは、戦時中に深い悲しみを味わった最愛の妹に捧げる“再生”を意味する香りであり、幼少期を過ごしたグランヴィルの庭を思い起こさせる香り。

 実はディオール兄妹の「花」への愛は深く、カトリーヌは後にバラの栽培家になったほど。

 ムッシュも「花々は女性の次に最も神聖な創造物である」と語り、花のモチーフを使ったドレスを数多く発表している。

 ミス ディオールの評判は瞬く間に世界へ広がり、多くの女性を虜にすることに。

ミス ディオールの強みは
常に新しくあり続けること

 名香と呼ばれる香りは数多くあるが、ミス ディオールは進化を続ける名香。

 香りの世界観を守りながら時代のエッセンスを取り入れ、新しい香りを次々と生み出してきた。

 なかでも爆発的なヒットとなったのが2008年に発表されたミス ディオール ブルーミング ブーケだ。

 この香りの登場で若い世代にファンが広がったのは確か。調香を手がけたディオール パフューマー クリエイターのフランソワ・ドゥマシーさんに話を聞くことができた。

「ブルーミング ブーケのクリエイションはまさに“研究”という言葉がぴったりの大きな作業でしたね。ゼロから作るのとは違って、ある枠組みの中から新しいバージョンを作るわけですから。私にとってもチャレンジでした」とドゥマシーさん。

 実は彼、フレグランス界のレジェンドと言われる調香師の一人。ミス ディオールという香りにどんな印象を持っていたのか、すごく気になる。

「ミス ディオールはいろんなエレメントを持っている非常に豊かな香り。そのバランスを変えたり、何かを加えることで新しい表現ができると思いました。ブルーミング ブーケは軽やかでフレッシュな香りに仕上げたくてパチョリやグリーンノートがキーになっています」

 香り作りって料理と似ている。どんな素材を選び、何を組み合わせてどう料理するかで出来上がりが全然違う。

「原材料そのものが香水のベースになるので高品質のものを使う。ディオールと契約をしたとき、原料の買い付けの責任も自分がやりたいと言ったくらいです。現地に行って生産者とディスカッションして情報を共有し、抽出や蒸留プロセスもすべて見ています」

 ドゥマシーさんが調香師に就任して新しいミス ディオールファミリーが続々と。2012年にシプレ フローラルという新たな魅力を持ったエクストレ ドゥ パルファンが。2016年にはグルマン系の香りをアクセントにしたアブソリュートリー ブルーミング。

 そして2019年、さらなる軽やかさを追求したミス ディオール オードゥ トワレが誕生。ドゥマシーさんの今一番のお気に入りがこの最新作らしい。

「軽やかさは香水に限らず、すべてのトレンドだと思います。オードゥ トワレは軽さの中にもセンシュアルなイメージをプラスして」と言いながら、ジャケットのポケットから試作品のボトルが出てきてビックリ。

「いろんな場所やシーンで香りを嗅いでみるために持ち歩いているんですよ」。ボトルをよく見ると、「No.5800」の数字が。

「調合を何度も繰り返し、テストを重ねて、新しい香りを生み出すには膨大な時間がかかりますから、常に2年先を見て仕事をしています」と何とも期待が膨らむ言葉。

 日本のフレグランス市場も活気づいてきたし、お気に入りの香りを見つけておしゃれの仕上げに加えて欲しい。

「見えないドレスを纏うように。日本の女性にも香りの楽しさをもっと知ってもらえたら嬉しいですね」

ボトルが物語る
クチュールとの深い関係


左:1947年、最初の香水はアンフォラ型で登場。右:1949年、話題を集めた幾何学的なフォルムが千鳥格子のボトルに。

 オートクチュールと香水の融合を大切にしてきたディオール。

 ミス ディオールの歴代のボトルにはコレクションを反映したデザインが施され、ディオールの歴史が垣間見られるほど。

 なかでもボトル口に結ばれたダガー ボウは、ディオール クチュールのアトリエ職人によって作られたのが始まりでミス ディオールのシンボルに。

 年に一度、世界で47個(ムッシュのラッキーナンバー)だけ限定発売されるスペシャル エディション ボトルは必見。

●教えてくれたのは……
ディオール パフューマー クリエイター
フランソワ・ドゥマシーさん

1971年にグラースにある天然原料で有名なシャラボ社に入り、その後も化粧品会社で経験を重ね、2006年、LVMHグループのパフューム&コスメティック部門パフュームディベロップメント・ディレクターに就任。


吉田昌佐美(よしだ まさみ)

1979年より第一線で活躍する美容ジャーナリスト。新旧の名品やブランドの歴史を熟知。情熱的な鋭い取材と確かな分析力に基づく最新技術の分かりやすい解説は、国内外のブランドの開発者からの信頼も厚い。インスタグラム「masami_cosme」

Text=Masami Yoshida
Photo=Kenichi Yoshida



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