2017/07/07 11:00

寝具選び、ストレッチ…寝苦しさに負けない「快眠メソッド3」

 
「疲労は寝ている間に回復するので、質のよい睡眠をとることが、夏バテ対策の要になります。寝不足が続くと体力や免疫力が落ちるだけでなく、集中力ややる気も低下するので、生活の質を落とす恐れもあります。ついイライラして周りの人にきつく当たってしまい、人間関係に悪影響を及ぼすこともあるでしょう。また近年の研究によれば、睡眠不足が認知症の一因となることもわかりました。認知症の原因と考えられるアミロイド という老廃物を睡眠中に脳が排除してくれるのですが、睡眠不足ですと排除システムが機能しないのです。アミロイド は認知症発症の20〜30年前からたまり始めるという説もあるので、40代以降の方はとくに睡眠に気を使ったほうがいいといえるでしょう」
 
こう語るのは、快眠セラピストの三橋美穂さん。最近では「睡眠負債」という言葉を聞くようになった。日々の寝不足が借金のように積み重なり、利子がじわじわと増えるように、美容や健康、生活へ悪影響を及ぼすことからついた呼び名だ。
 
たとえわずかな睡眠不足でも、毎日積み重ねれば莫大な 負債 になる。週末の寝だめなど一時的な長時間睡眠では 返済 しきれないので、借金をためないよう、毎日十分な睡眠をとることが大事だといわれている。借金を返せないままでいると、最後には 自己破産 して、免疫力低下の影響によりがんを発症したり、前述の認知症などの重大な病いを招くことになるのだ。三橋さんによると、睡眠は体の中心部の体温である「深部体温」と密接に関係しているそう。
 
「深部体温には一定のリズムがあり、1日で約1度上下します。明け方がもっとも低く、起床の2〜3時間前から上がり始め、午後7〜9時ごろにもっとも高くなります。この後、一気に下がり始めるのですが、この下がり方が急なほど眠りに入りやすく、深く眠れるようになります。また夏の夜の寝苦しさは、暑さだけでなく湿度の高さも大きな原因です。湿度が高いと汗が蒸発しにくく、深部体温が下がらない。寝つきが悪く、熟睡できないのはそのためなのです」
 
では、真夏の夜に快眠するにはどうすればいいのか?三橋さんに快適メソッドを聞いた。
 
■寝具を工夫して、背中を涼しくする
 
「深部体温を下がりやすくするため、背中に熱や湿気がたまらないように寝具で工夫するのもポイントです」(三橋さん・以下同)
 
「抱き枕」は三橋さんおススメ寝具の1つ。抱えて横になれば、背中と敷きぶとんの間に隙間ができて熱が逃げやすくなるうえ、わきの下や膝の間にも隙間ができ、涼しく眠れる。ほかにも背中を涼しくするために役立つのが、高通気性の敷きパッド。
 
「夏用の寝具でもっとも効果があるのは敷きパッド。高通気性のものは、空気を通し熱を逃がす効果があるので、背中が蒸れません。麻の敷きパッドも吸湿・放湿性に優れています。ただし、エアコンの使用を控えたい人は、敷きパッドの中綿がポリエステルだと寝ている間に汗で蒸れやすくなるのでNG。表面の生地が麻でも中身はポリエステル綿ということもあるので、購入する前によくチェックを」
 
■就寝の1時間前から部屋を冷やしておく
 
熱帯夜には欠かせないエアコンだが、つけると寒すぎ、消すと暑すぎ、結局よく眠れないという人も多いはず。
 
「寒くなるからといって、就寝時から高めの28度に設定すると、深部体温が下がらず、スムーズに寝つけません。そこで、まず就寝の約1時間前から、25〜26度の低めの設定でエアコンをつけ、部屋を冷やしておきます。そして寝るときに28度に設定。すると室温は1時間ほどかけて徐々に上がっていき、28度になるころには体温は下がっているので、その後も気持ちよく眠れるんです」
 
■寝る直前には快眠ストレッチを
 
「夏の夜に限りませんが、寝る前のストレッチで寝つきが格段によくなります。現代人はスマホやパソコン、ストレスで背中が丸くなり、しかも背中の筋肉がこわばっている人がとても多いのです」
 
三橋さんが提案する「快眠ストレッチ」は次の通り。就寝前の1分で、寝ながらできる簡単な体操だ。
 
【1】厚めのバスタオルを4つに折り、丸めて、高さ10センチ・幅20センチくらいの筒状にする(※クッションを使用してもOK)。
 
【2】あおむけになり、背骨に沿うように1のバスタオルを当てて、頭をふとんにつけ、ひと呼吸する(※体勢が苦しければ、低めの枕に頭をのせてもOK)。
 
【3】あおむけに寝たまま、両腕を横に伸ばして、ひじを曲げ、外回りに20回軽く回す。(※肩が痛いときは省略してもOK)。
 
【4】手のひらを上にして、体の横に置き、目を閉じて深呼吸を10回する。息を吐くときには、体が重くなり、ふとんに沈み込んでいく様子をイメージする。
 
【5】バスタオルを外すと、背中がふとんに吸いつくような感覚になって、全身がリラックスする。その状態のまま就寝する。
 
5月に発表された気象庁の予報によると、今年の夏は平年より厳しい暑さになる見込みだという。特に8月は猛暑が予想されている。睡眠負債とサヨナラするためにも三橋さんのアドバイスで寝苦しい夜を乗り切ろう!

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