2018/02/19 16:00

健康に「1日1万歩」は不要!病気予防のための正しい歩き方

 
『あらゆる病気は歩くだけで治る!』(SB新書)の著者で、東京都健康長寿医療センター研究所「社会参加と地域保健研究チーム」の専門副部長・青柳幸利先生が、長年にわたる 歩行と長寿の関係 の研究から 1日8,000歩を歩き、うち20分を速歩きしている人 は病気になりにくいことが判明した。
 
「健康増進のためには『毎日1万歩のウオーキング』が推奨されていましたが、これは間違いということがわかりました。1万歩はヤセたい人のための目安で、これ以上の歩行はむしろ免疫力が低下し、病気になりやすくなります。病気予防のためには毎日8,000歩で十分。でも、そのうち20分を速歩きにする必要があります」(青柳先生・以下同)
 
'00年から'15年にかけて行われた健康調査「中之条研究」では、群馬県中之条町に住む65歳以上の5,000人(寝たきり、認知症の人を除く)を対象に、運動、食生活、睡眠時間、労働時間、病気の有無などのアンケートを取り、さらに1日の歩数や運動の強度などの活動時間を記録した。
 
「この研究で、歩数と『中強度の活動』の時間が増えると、病気にかかる確率『発病率』が低くなることがわかりました」
 
「中之条研究」によると、1日2,000歩以上歩くグループは、その後「寝たきり」になる人が少なかった。4,000歩以上歩き、そのうち速歩きの時間が5分以上あるグループは「うつ病」になる人がほとんどいなかった。
 
このように歩数別に調べてみると、高血圧や糖尿病、脂質異常症、心筋梗塞、認知症など、予防のレベルは病気によって異なることがわかった。そして1日8,000歩を歩き、中強度の活動を20分行うグループは、いずれの病気にもならない人が多かったのだ。
 
中強度の活動とは「なんとか会話ができる程度の速歩き」など、負荷がかかる運動のこと。拭き掃除や自転車に乗るなど、年齢によって適した活動内容が異なるが、いちばん簡単なのはウオーキングのうちの25%程度を『速歩き』にすることだ。これによって歩く以外の運動をわざわざする必要がなくなる。
 
青やぎ先生の指導のもと、ウオーキングを始めた人たちの中には、予防だけでなく、病気が治った人も多いという。そんな実例を紹介。
 
【4,000歩(うち速歩き5分)以上】でうつ病を予防
 
73歳のA子さんは、5人きょうだいのうち3人をがんで亡くした。「腰の痛みはがんの前触れかも」という不安からひきこもりがちになり、うつ状態に。友人の勧めで青やぎ先生のメソッドを取り入れた健康教室に参加し、1日4,000歩(うち速歩き5分)を目標に歩き始めた。
 
「うつ病の人は日光を浴びる機会が非常に少なく、生活にメリハリがなくなります。まず、外に出て日光を浴びて歩く。体温が上昇することで不眠が解消され、うつの症状が改善します」
 
【5,000歩(うち速歩き7.5分)以上】で認知症、要介護を予防
 
77歳のとき、転倒により大腿骨を骨折したB子さんは、元・旅館のおかみ。毎朝5時に起きて館内を歩き回り、1日1万歩以上歩いていたが  。
 
「歩き方に問題がありました。着物を着て小股で歩き、日光を浴びる時間も少なかったため骨粗しょう症の状態でした。また、歩きずぎは疲労を蓄積させ、膝などの関節の故障の原因にもなります」
 
B子さんは骨折後、リハビリのために屋外ウオーキングを開始。少しずつ歩数を増やし、完治後は 大股 で5,000歩のウオーキング(うち7.5分の速歩き)を日課にしたところ、80代の現在も、要介護認定を受けず、自立した生活を送っている。
 
【7,000歩(うち速歩き15分)以上】で動脈硬化やがん予防
 
70歳のC子さんは、'15年の血液検査でLDLコレステロール値が164と、正常値の上限120を大幅に上回り、医師から指導を受けた。そこで毎朝40分歩いて息子夫婦の家に通い、小学生の孫の登校を見送ることを日課にしたところ、2年後の検査ではLDLコレステロール値が117と正常値に戻ったという。
 
LDLコレステロール値の上昇、高血圧症などが重なると、血管の動脈壁が硬くなり、弾力や柔軟性を失う「動脈硬化」につながる。
 
「『中之条研究』によって、1日7,000歩以上歩き、中強度の活動を15分以上している人は、動脈が硬くなりにくいことがわかりました。がんのリスクが減るという結果も出ています」
 
【8,000歩(うち速歩き20分)以上】で糖尿病や高血圧症を予防
 
D子さんは42歳で婦人科系のがん、さらに大腸がんになって闘病の日々を送っていた。運動不足から、血糖値の平均を反映するヘモグロビンA1cの値が基準値の6.5%を超え、9.5%まで上昇。医師に「このままだと糖尿病になり、インスリンの注射が必要になる」と言われた。
 
そこで、天気のいい日の昼食後、1時間のウオーキング(うち速歩き20分)を日課に。1年3カ月後にヘモグロビンA1cは正常値の6.1%まで下がったという。
 
【1万歩(うち速歩き30分)以上】でメタボ予防
 
54歳のE子さんは、身長163センチで体重は65キロ。健康診断で「中性脂肪が多い」とダイエットの指導を受けた。E子さんは、職場までの片道1.8キロを車通勤から徒歩通勤に。さらに昼食のために一時帰宅することで、1日7.2キロ歩いたところ、4カ月で体重が5.7キロ減、ウエスト7センチ減に成功したという。
 
予防・改善したい疾患や状態によって必要歩数は異なるが、糖尿病やがんなども含め、ほとんどの病気は8,000歩で予防・改善できるそう。これからは8,000歩(うち速歩き20分)ウオーキングで、健康寿命を延ばそう!

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