2018/05/01 11:00

マウス実験が明かした「糖質制限の危険」に専門家が反論

 
ここ数年、糖尿病の予防や健康維持、ダイエットのために、白米やパンなど炭水化物(糖質)をできる限り食べない、いわゆる「糖質制限」を推奨する医師が増えている。メディアでも連日のように大きく取り上げられ、糖質オフや糖質ゼロをうたった食品も実に多くなった。
 
ところが! 糖質制限に反論する意見が出て、「いったい、どっちなの  ?」と、読者の戸惑う声が聞こえてくるようになったのだ。
 
そのきっかけは今年3月に発表されて、読者の記憶にも新しい「ラットを使用した糖質制限」の研究結果によるもの。発表をおさらいすると次のようなものになる。
 
ーー1年間、マウスに糖質制限食を与えたグループと通常飼育食を与えたグループに分けて飼育をし、健康状態等を比較した。糖質以外のビタミンなどの栄養素は、まったく同じ内容の食事を与えた。
 
その結果、糖質制限をしたマウスは背骨が曲がったり、学習能力も落ちていたという。見た目に関しても、毛並みが悪くなり肌つやはなくなり、体全体が炎症を起こしている状態で、皮膚も薄くなっていた、というものだ。
 
そのうえ、この実験では、糖質制限食を与えたマウスは平均寿命より20〜25%ほど短命だったという。それに比べて、通常飼育食を食べたマウスの多くは、平均寿命より長生きだったーー。
 
つまりは、この研究は、糖質制限をしていると、老化が進むという結果を示すものだったのだ。
 
その理屈とはこうだ。年とともに体内に異常タンパク質というものが増える。これを分解し、除去することが老化を抑制する。ところが、糖質を制限していると、この異常タンパク質が分解・除去されずに体内に残ってしまい、老化が促進されるというわけだ。
 
だが、この研究結果に対して反論する声が、専門家の中から出てきている。
 
その代表ともいえるのが、糖質制限を推奨している宗田マタニティクリニックの宗田哲男院長だ。自身も、糖質制限を実践しているという。
 
「糖質は取りすぎると、ご存じのように血糖値の乱高下が起こり、肥満、糖尿病など生活習慣病などのもとになります。加齢で代謝が鈍くなると、取りすぎた糖が蓄積され、アルツハイマー病を引き起こす可能性も考えられています。'99年に医学雑誌『神経学』に発表された『ロッテルダム研究』によれば、高齢者糖尿病におけるアルツハイマー病の危険度は、糖尿病でない高齢者に比べて1.9倍であり、インスリン使用中の糖尿病患者では危険度は実に4.3倍と増加します」(宗田先生)
 
では、糖質の代わりに何をエネルギーとすればいいのか。宗田先生は次のように自説を展開する。
 
「糖質を減らして脂肪を主なエネルギーにします。さらに糖質を減らすと、脂肪からケトン体が作られるようになります。ケトン体とは体の中の糖が枯渇すると、代謝エネルギーとして肝臓で生産されるもの、つまり糖質の代わりに脂肪から作られるエネルギーなのです。基礎代謝の多くを占める骨格筋や心筋の動きは、ほとんどこのケトン体をエネルギー源としています。また、余った糖質は体に蓄積されますが、ケトン体は脂肪を燃焼させて不足分だけ生まれるので、余ることはありません。ケトン体は、重症てんかん始め、脳神経保護作用や、認知能力の向上など、さまざまな効果が認められてきています。つまり糖質過多をやめれば、さまざまな病気を防ぐことができるというわけです」
 
それをふまえ、宗田先生は前述の実験結果について、こう反論する。
 
「今回の研究は、動物実験の結果であって、人間の体で年齢とともに異常タンパク質が増えるとはいえないと思います。仮に老化により異常タンパク質が増えたとしたら、それは酸化と糖化によるものです。酸化と糖化とは主にインスリンの分泌が多くなることで起こります。では、インスリンはどうしたら増えるか? 糖質の過剰摂取によって起こるのです。つまり、糖質の大量摂取こそ、老化の促進を招くのです。ですから、その糖質を制限し、代わりに前述のケトン体からエネルギーを生産すれば、そういった病気の心配はなくなり、寿命も延びるはずです。実際に、'17年、英医学誌『ランセット』にカナダ・マックスマスター大学のMahshid Dehghan博士らが『糖質の摂取増加で死亡リスクが上昇し、脂質の摂取が多いほど死亡率が低下する』という論文を発表しています」

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