2017/10/10 17:09

ゾンビより怖い格差社会を描く韓国アニメ映画「ソウル・ステーション パンデミック」

 【エンタなう】

 あまりのスピード感に笑ってしまうほど恐ろしい韓国の異色ゾンビ映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」を先月の夕刊フジ小欄で紹介した。その前日譚が描かれた映画「ソウル・ステーション パンデミック」に、さらなる衝撃を受けた。

 「新感染」では早朝、ソウルから釜山に向かう高速列車内で、ウイルスに感染した乗客がゾンビ化して襲いかかる恐怖が実写で描かれた。「ソウル・ステーション」は、その前夜のソウル駅構内が舞台。アニメだが、こちらの方が生々しい。

 首から血を流した老人ホームレスが構内の隅でうずくまっている。気づいた弟が警備員らに助けを求めて回るが誰も取り合わない。弟は、なけなしの小銭を手に閉まりかけた薬局で鎮痛剤をバラ売りしてもらうが、老人は息絶えていた。「兄が死んでしまった。助けてくれ!」。悲痛な叫びとともに宿直の駅員を呼びに行くが、老人は血痕とともに消えている…。

 冒頭場面に、現在の韓国社会の底辺が切ないまでに投影されている。風俗嬢を余儀なくされた家出少女や、ネットカフェに入り浸りのヒモ男など登場するのは、格差社会の矛盾を背負った人ばかり。ゾンビに追われて逃げ込む先が、広大な高級マンションのショールームというのも、あまりに皮肉だ。

 社会派アニメ作家として知られるヨン・サンホ監督は、ぐいぐい現実に引き寄せる。圧倒された。両作品とも公開中。(中本裕己)

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