2017/10/26 12:00

凄絶な事件を今語らせる意味は? 見えない番組の意図 〈ザ・ノンフィクション 人殺しの息子と呼ばれて 後編〉(フジテレビ系)

2002年に発覚した北九州市の親族監禁虐待殺人事件の主犯、松永太と内縁の妻、緒方純子の間にできた息子24歳が、ディレクターに激白した「あれからの人生」のインタビューである。当時彼はまだ9歳でありながら、殺人や死体損壊の現場を目撃していた。死肉をミキサーにかけるのも目撃し、臭かったという。父親の松永は死刑囚で母親の緒方は無期懲役囚である。6人殺し1人は傷害致死。
父親には3回面会したが「帰れ」と怒鳴られた。父親は昔より小さくなっていたと息子は言ったが、それはそうだろう。子供の頃に支配されていた存在の父親を、本人が大人になってから見ると、相手が小さく見えるものである。母親には20回も面会し、母親からもイラスト入りの生真面目で端正な文字の手紙が4年間で21通も来ている。想像を絶する余りに残忍な犯行のため、メディア露出が制限された事件を今になって息子に語らせた意図は判然としない。
顔には紗がかけられているが、中卒の施設育ちには見えない理路整然とした語り口で、知能程度は高いと思われる。神戸の少年A事件の犯人が手記を出版した時にも感じたが、関係者はテレビに出たがる。それを登場させるには論理的な説得力が必要である。ただの怖いもの見たさの興味だけでは意味がない。今回のインタビューも、いまいち、何を意図してインタビューしたのか曖昧で、息子への同情ともいえず、終わりまで視聴しても釈然としなかったのである。(放送2017年10月22日14時~)

(黄蘭)

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