2018/12/26 17:00

尋常ならぬ純愛映画への偏愛告白は恥ずかしい!――春日太一の木曜邦画劇場

1999年作品(103分)/タキコーポレーション/レンタルあり
1999年作品(103分)/タキコーポレーション/レンタルあり

 本連載初の書籍化となる『 泥沼スクリーン これまで観てきた映画のこと 』製作にあたり、これまでの回を全て読み直した。そこで気づいたのは「なんてことを書いてしまったんだ――」という文章が少なからずあるということだ。

 第十二回『月光の囁き』は、その最たるところである。

 田舎町を舞台にした、ある高校生カップルの恋模様が描かれた本作は、序盤だけ観ていると「よくあるティーンズの爽やか恋愛映画」と勘違いしてしまうかもしれない。それだと筆者には興味ない類の作品となる。が、興味ないどころか、これまで観てきた全映画の中でも最も大好きな作品の一つなのである。

 それは、中盤以降のこの男女の成り行きが尋常でないものになっていくからだ。

 主人公の拓也(水橋研二)は同級生の紗月(つぐみ)と付き合い、肉体関係まで結ぶも、どこか満足いかない。なにせ拓也は「紗月の犬」になることを求める「変態」。「普通の付き合い」など求めていないのだ。そして、紗月も一度は遠ざけながらも徐々に自らの本性に目覚め、拓也に無理難題を押しつけていく。傷つきながらも悦びを覚える拓也と、葛藤を抱えつつも拓也に引きずられていく紗月。そんな二人のひと夏の恋が、爽やかな映像の中で綴られる。

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ゆったり気分でノンビリ過ごせそう。仕事はさっさと切り上げて...もっと見る >