2019/03/15 11:00

芝山幹郎がクリント・イーストウッドに会って思ったこと「複雑な人は、むずかしい顔をしていない」

クリント・イーストウッド
クリント・イーストウッド

 きれいな老人、というのが第一印象だった。

 バーバンクにあるワーナーブラザース撮影所の一画(ロビーのような、カフェテリアのような場所)に、クリント・イーストウッドは静かに入ってきた。

 オーラを発散したり、無理やり気配を消したりしている様子はない。スターのなかには、この両極端に走る人がたまにいるのだが、イーストウッドはそのどちらでもなかった。つまり、気負いや作為や疲れがない。

 茶色いコーデュロイ・パンツに焦げ茶色のウォーキングシューズ。モスグリーンの長袖ポロにやはり茶色のカーディガン。質素な軽装で、気配も話し方も自然体だ。表情には透明感がある。息継ぎをする際の呼吸はやや浅いが、映画のなかの彼も、若いころからこんな話し方をしていた。

 映像では60年間見つづけてきたのに、私はイーストウッド当人と会ったことがなかった。正直にいうと、いつか会えるかな、という気持と、もう会えずじまいかな、という気持が半々だった。彼は88歳の高齢だし、私も頑健とはいいがたい70歳だ。

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