2019/04/16 17:00

若き日の萩原健一、研ぎ澄まされた感性の演技!――春日太一の木曜邦画劇場

1972年作品(88分)/松竹/2800円(税抜)
1972年作品(88分)/松竹/2800円(税抜)

「ショーケンとの共演は、物凄く勉強になった。彼は我々みたいに計算して役作りするんじゃなくて、研ぎ澄まされた感性で演じるんですよ」

 ミュージシャンから俳優に進出したばかりの萩原健一との共演時のことを、前田吟はそう振り返っている。

 一九六〇年代までは俳優といえば、劇団や伝統芸能、映画会社といったバックボーンで演技の基礎を積んだ上で映画やテレビドラマに出演することがほとんどだった。彼らは台本を読み込み、そこに書かれたことを忠実に演じるために腕を磨いてきた。結果として作り手側も共演者も、観る側も、「その役者がどんな演技をしてくるか」をある程度は読むことができる。

 萩原は演技経験をほとんど経ずに役者の世界に飛び込んだため文字通り「型破り」な、異端児といえる存在だった。時には台本に書かれた芝居やセリフを現場で己が感覚の赴くままに変えていったという。

 その読めない芝居の刺激的で不穏なスリリングさ、そして、「計算」されていないからこそ表現できる生々しいリアルさが新鮮な感動を呼び、七〇年代以降の映画やテレビドラマにおける俳優の演技のあり方をも一変させる。

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