2019/04/19 11:00

フランスの女性監督が放つ不穏で官能的なSFホラー

『オデッセイ』はもはやSF映画ではなくなっている

――『ハイ・ライフ』が、これまで見たことのないまったく独創的なSF映画であることに驚かされました。ここでは派手な特殊効果は使われず、物語は宇宙船という密室でのみ進行します。これは、いわゆるハリウッド製大作SF映画への挑発なのでしょうか?

クレール・ドゥニ ハリウッド映画に反するものをつくろうだなんて発想は、私にはありません。ただ単に、長年自分が温めていた、大切なストーリーに従っていっただけです。地球を離れて長い時間が経った囚人の集団がいて、最後に男が一人残される。彼は、何も持たず、希望もなく、長いこと閉ざされた人生を送ってきた。自分を孤独だと感じていますが、一方で、宇宙船のなかに子どもが一人いることを知っています。そして彼の人生が少しずつ変わっていく。突然、赤ちゃんに対して責任があると感じるようになり、愛が自分のほうへやってくるのを感じるのです。そうした映画をつくるうえで、ハリウッドの映画のことなど何一つ考えていませんでした。そもそも自分の考え方においては、すでに存在している映画に抗って映画をつくることは不可能です。

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