2019/08/03 05:30

人類はあの戦争で何をしたのか 「東京裁判」277分の史実が甦る

小笠原清さん
小笠原清さん

 小林正樹監督のドキュメンタリー映画『東京裁判』は、戦犯が裁かれる記録ではなく、人類はあの戦争で何をしたのかを我々に示した。その作品が今夏、4Kデジタルリマスター版で復活する。監修は、83年の公開時に監督補佐兼脚本を担当した小笠原清さん。

「上映が繰り返されたことでフィルムが傷んできたため、長くデジタル化を望んでいました。今回のデジタル処理によって、画、音ともに魔法のようにクリアになりました」

 米国保管の膨大な裁判映像や日本のニュース映像、そして玉音放送までもが甦った。

「9歳の頃に聴いた玉音放送はよく聴き取れず、内容も理解できなかった。それが明瞭になり字幕化も実現しました」

 作品へ込めた思いとは何か。

「ただ反戦を訴えても戦争の実態は見えません。なぜ誰も流れに抗(あらが)えなかったのか。何も知らずに加担するとどれだけ悲惨な目に遭うのか。考える肥やしにしてほしいのです」

 公開時、小6ほどの娘を連れた母親に、その子にはちょっと無理だと監督が声をかけると、「わからなくても見せたほうがいい」と応えたという。

「それは監督が好まれた話で、ひとつの真理だと思います。玉音放送体験が私にも大きなものを及ぼしましたから」

INFORMATION

映画『東京裁判』4Kデジタルリマスター版
8月3日より、ユーロスペースほか全国順次公開
http://www.tokyosaiban2019.com/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年8月1日号)



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