2019/07/30 17:00

ベルリンの壮麗な街並に際立つ「日本人」の宿業!――春日太一の木曜邦画劇場

1989年作品(123分)/東宝/4500円(税抜)
1989年作品(123分)/東宝/4500円(税抜)

 篠田正浩監督が一貫して描いてきたテーマは、「日本」であり「日本人」であった。

 日本映画なのだから当然――と思われるかもしれないが、ここまで徹底して、そして意識的に、「日本とは」「日本人とは」を作中に叩きつけてきた監督は、そうはいない。

 しかもそのスタンスは、右翼的な日本礼賛でも、左翼的な国家批判でもない。イデオロギーとしてではなく、どこか民俗学の研究者のような純粋な好奇心として「日本とは何か」「日本人とは何か」を追究しているように映る。

 その際に篠田がよく使うのが「異邦人から見たドメスティックな日本」という構図である。キリシタン禁教下の長崎に潜入した神父の目を通して展開される『沈黙 SILENCE』はその最たるものといえるだろう。他にも、『悪霊島』や『少年時代』のように、都会からの来訪者の視点を介して「田舎」の諸相を描いていくというケースもある。

 今回取り上げる作品は、『舞姫』だ。森鴎外の代表作を映画化した作品である。こうした彼のスタンスを踏まえた上で接してみると、本作もまた実に篠田的だと気づく。

今日の運勢

おひつじ座

全体運

集中力を発揮すると、思わぬ成果を上げられそう。何か一つ目標...もっと見る >