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2019/09/03 17:00

本心を隠して悪役を被る三船敏郎がとてつもない――春日太一の木曜邦画劇場

1967年作品(158分)/東宝/2500円(税抜)/レンタルあり
1967年作品(158分)/東宝/2500円(税抜)/レンタルあり

 引き続き「司令官役者」としての三船敏郎の話だ。ラストとなる今回は、『日本のいちばん長い日』を取り上げる。

 太平洋戦争はいかにして終結したのか。その様子が刻一刻と時間を追う形で描かれる。

 本作で三船が演じたのは阿南惟幾(あなみこれちか)陸軍大臣である。多視点で描かれた群像劇における、主人公の一人でもある。

 本作を撮った岡本喜八監督は阿南の位置づけを《忠臣蔵における吉良上野介と大石内蔵助の両面をもったキャラクター》としている。

 物語前半は、ポツダム宣言受諾の可否、および受諾後の昭和天皇による終戦の詔書の内容をめぐる閣議が描かれる。ここで阿南は当初、頑なに無条件降伏に反対、本土決戦を唱える。受諾後も詔書の文言に「敗戦」感が強く出ないものにするよう要求、米内海軍大臣(山村聰)の説得にも応じない。閣議での物語上のポジションは完全に悪役、まさに吉良になっているのである。

 が、段々とその裏側にある真意が見えてくる。実は阿南も本心から戦争続行を望んでいるわけではなかった。

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