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2019/11/16 11:00

山崎まさよし「泥棒だって人間だよ、ということが伝わればいいなと思います」

 篠原監督も参加していたこの映画祭がきっかけで、意気投合した3人は、自然と映画を作る流れになったという。その後、横山氏側から候補として提案されたのが『影踏み』だった。

「横山さんの小説は、警察組織に属する、いわば『官』の人が描かれる小説が多いですが、『影踏み』は唯一『民』の人間、しかも泥棒というアウトローが主人公です。僕自身は、どこにも属さずに生きてきた人間です。自分は『民』の人間で、税金をきちんと払いつつ、フリーの立場で権力に対抗している、という意識がどこかにあります。医者や弁護士を演じるのは無理だけど、泥棒なら演じられるかも、と思いました。泥棒をしたことはないけど、一種の職人気質を持つ男と考えれば、ミュージシャンである自分にも想像できる面はあるのかなと。泥棒が主人公の映画は異色かもしれませんが、泥棒だって人間だよ、ということが伝わったらいいなと思います」

 山崎さん演じる真壁は、深夜、寝静まった民家に侵入して現金を盗み出す「ノビ師」と言われる凄腕の泥棒だ。ある夜、侵入した県議会議員の家で、妻が議員の夫に火を放とうとしている場面を目撃する。直後、まだ通報もされていないのになぜか現れた幼馴染の刑事・吉川(竹原ピストル)によって逮捕されてしまう。2年の刑期を終え出所した真壁は、啓二(北村匠海)という若者に出迎えられる。翌日、吉川が溺死体で見つかった。事件当時の所在を問われた真壁は、咄嗟に恋人・久子(尾野真千子)の名前を出す。久子は真壁を一途に思い続ける一方で、文具店を営む男(滝藤賢一)に求婚されていた。真壁は2年前の事件の真相を追いはじめるが、次第に、泥棒に転落するきっかけになった20年前のある出来事の記憶が呼び醒まされる――。

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