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2019/11/30 17:00

台湾の人間国宝を10年取材「88歳の陳さんの、生きた証を残そうと思いました」

©Backstage Studio Co., Ltd.
©Backstage Studio Co., Ltd.

 映画『台湾、街かどの人形劇』は、台湾の大衆娯楽、布袋戯(ほていぎ)の人形師・陳錫煌(チェンシーホアン)さんを追ったドキュメンタリー。

 楊力州監督は、台湾の人間国宝である陳さんを10年取材するなかで、3つのことを伝えたいと考えた。

「子供のころ布袋戯が大好きだった私は、12年前に陳さんの公演を見に行きました。観客はわずか5人。でも、陳さんが操る人形は、生きているかと思うほど繊細な動きで、私はこの伝統技を映像として記録したいと強く思いました」

 布製の袋のような体に掌を収めて操る布袋戯。陳さんの指づかいから、人形は優雅に煙管を咥え煙を吐き、静かに書をしたためる。また、孫悟空は如意棒を自在に振り回し、鮮やかに宙返りも披露する。「まず神に敬意を表し、人に見せるのはそれから」。陳さんの極意だ。いま、その布袋戯の流れが絶えようとしている。

「テレビや映画などの新たな娯楽の進出もありますが、台湾語が制限された時代を経たことも大きいと思っています。私は小学生時代、台湾語を使い罰を受けました。北京語を公用語にする、国民党のその政策により、いまや若い世代は台湾語を知りません。台湾語で演じられてきた布袋戯は、言葉とともに消えることになるのです。その現実にこの取材で気付かされました」

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