2017/06/27 17:00

噛み合わない父と娘の物語 「ありがとう、トニ・エルドマン」を採点!

©Komplizen Film
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〈あらすじ〉

悪ふざけが大好きなバツイチのヴィンフリート(ペーター・ジモニシェック)は、愛犬の死をきっかけに、ブカレストのコンサルティング会社で働く1人娘のイネス(ザンドラ・ヒュラー)に会いに行く。娘を驚かせようと、彼女の職場を突然訪問すると、重要なプロジェクトに忙殺されているイネスに、厄介者扱いをされてしまう。レストランで、父がいかに迷惑だったかを女友達に話すイネスの前に、ドイツに帰国したはずの父親が入れ歯と鬘(かつら)で変装した奇妙な男トニ・エルドマンとして現れる。その後も神出鬼没のトニ・エルドマンに振り回されて苛立つイネスは次第に自分の生活と未来を見つめ直す。

〈解説〉

『恋愛社会学のススメ』のマーレン・アデ脚本・監督作。互いへの愛情をうまく伝えられない父と娘の関係を描く人間ドラマ。162分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆愛犬の死から始まる父娘の心の交流。強引な設定ながら引き込まれた。ディープなヨーロッパと娘役女優の演技に注目。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆父娘関係の屈折と哀愁を描くと思わせながら、変化球を連投する。スーパーシリアスな言動のおかしさがよく出ている。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆苛々している娘の行動は過激だが勇敢で、ギョッとする父親の思い付きは鬱陶しいのに泣ける温かさ。間の取り方が絶妙。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆上質な感情の織物。喜怒哀楽の配合が巧く、一見簡素ながら内側はカラフルな印象。既視感と新鮮味が不思議に混ざる。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆この噛み合わなさが、まさに親子関係。それを通して考察する人生の時間について。ドイツ映画らしい不条理さも。天晴れ。

INFORMATION

「ありがとう、トニ・エルドマン」(独、オーストリア)
6月24日(土)より、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
脚本・監督:マーレン・アデ
出演:ペーター・ジモニシェック、ザンドラ・ヒュラー ほか
http://www.bitters.co.jp/tonierdmann/

(「週刊文春」編集部)

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