2017/07/11 17:00

厳しく清らかな雪山と、暑苦しい下界の対比!――春日太一の木曜邦画劇場

1958年作品(96分)/KADOKAWA/2800円(税抜)/レンタルあり
1958年作品(96分)/KADOKAWA/2800円(税抜)/レンタルあり

 今週も、そしておそらく来週も……雪山が舞台の映画を取り上げることになる。「季節はずれ」という意見もあるかもしれない。が、この蒸し暑い嫌な季節、涼やかな映像でも見て気休めをしたいのだ。

 今回取り上げるのは『氷壁』。なにせ「氷」の「壁」である。タイトルからして納涼気分に誘ってくれる。

 冒頭からいきなり、期待に違わない映像が目に飛び込んでくる。タイトルバックから猛吹雪が映し出され、そこから雪に覆われた穂高の峰々の岩稜、そして雪の中をスキーで奥穂高岳へ向かう主人公の魚津(菅原謙二)――と、白銀の映像が続いていく。

 この段階で、早くも心は雪山レジャー。自分が今いるのが、うだるような仕事部屋だということを忘れさせてくれる。もちろん本作は環境映像集でも登山ガイドでもないから、そんな良い景色の場面だけで終わるはずはない。

 場面は一転して東京へ。魚津は、人妻・美那子(山本富士子)へ想いを寄せる友人の小坂(川崎敬三)に、彼女を諦めるように諭す。思いつめた小坂の表情は不穏そのもの。先ほどまでの爽やかな気分は一気に消え飛んでしまう。

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元気いっぱい。行動的になればなるほど、ツキがまわってくるの...もっと見る >