2017/07/18 17:00

三船と志村の名コンビが誕生、雪山で灼熱対決!――春日太一の木曜邦画劇場

1947年作品(89分)/東宝/4500円(税抜)/レンタルあり
1947年作品(89分)/東宝/4500円(税抜)/レンタルあり

 先週に引き続き納涼を期して、雪山映画について書く。今回取り上げるのは『銀嶺の果て』。今年で没後二十年となる三船敏郎のデビュー作だ。

 本作は涼やかなタイトルの通り、ほぼ全編にわたり銀世界が映し出されるのだが、なにせ脚本が黒澤明。物語は男臭く、そして激しい。

 舞台は冬の北アルプス。銀行強盗の三人組、野尻(志村喬)、江島(三船)、高杉(小杉義男)は雪深い山中に逃げ込み、雪崩に遭う。高杉は雪に飲み込まれていくが、野尻と江島は助かり、山小屋へとたどり着く。そこには、小屋を管理する老人とその孫娘、そして登山家の本田(河野秋武)がいた。大雪のために身動きができなくなる中、野尻は山小屋の人々と馴染んでいく一方、早く脱出したい江島は苛立ちを募らせる。

 人情家の中年を演じる志村と、血気盛んな若者を演じる三船――。この好対照な構図は、後の『酔いどれ天使』『野良犬』『七人の侍』といった黒澤の傑作群における両者の演じる役柄の関係性そのもの。その相性の良さを黒澤は既に見抜いていたのだろうか。初顔合わせとなる本作で既に、芝居のグラデーションは見事なまでに完成されていた。

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