2017/07/23 11:00

『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』――桜庭一樹のシネマ桜吹雪

©British Broadcasting Corporation and Polunin Ltd. / 2016
©British Broadcasting Corporation and Polunin Ltd. / 2016

 文化は国や民族によってちがう。だからこそ外国の映画を観るのは面白い。でも……。一生懸命観ていたのに、ラストで急に「?」となること、ときどきありませんか?

 たとえばアメリカ映画『ラースと、その彼女』では、主人公の男性が、恋人として扱っていたラブドールと一緒にジャボンと水に浸かって、出てくる。韓国映画『冬の小鳥』では、親に捨てられて孤児院暮らしの少女が、穴を掘って自分を埋葬するポーズをしてから、ムクッと起きる。

 そしてこういう“仮の死”シーンの後、主人公たちは新たな人生へと踏みだしていく。でも、起こったことの本当の意味がわたしにはわからず、“自分だけ映画に置いていかれちゃった”感が生じるのだ。

 ――あれって、何だろ?

 と、ずっともやもやしていたのだが、どうやらキリスト教の洗礼からきているらしい。古い人格とともに一度死んで生まれ変わるという……。

 さて、このドキュメンタリー映画のテーマも、一人の人間が仮の死を経て「もう一度生まれる」ことである。

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