2017/07/25 17:00

加害者なのに涙を誘う、船越英二演じる純真男!――春日太一の木曜邦画劇場

1969年作品(84分)/KADOKAWA/2800円(税抜)/レンタルあり
1969年作品(84分)/KADOKAWA/2800円(税抜)/レンタルあり

 最近、息子のニュースの流れで「船越英二」の名前を目にする機会も増えている。

 一見すると甘い優男にしか見えないのだが、その役柄は幅広かった。しかも見た目と異なり、『野火』での飢えた日本兵、『黒い十人の女』での女たちの間を飄々と泳ぎ回る遊び人など、どこか異常性を孕んだ役柄も得意としていた。

 中でも特に常軌を逸した芝居を見せた作品が、今回取り上げる『盲獣』である。

 船越の演じる主人公・道夫は盲目のマッサージ師。彼の目的は、手に残った客の女性の感触をオブジェとして再現する「触覚芸術」を完成させること。倉庫を改造したアトリエには、無数の巨大な耳など、異様なオブジェが並ぶ。そして、モデルのアキ(緑魔子)の肉体に理想の造形を見出した道夫は、彼女を誘拐して倉庫に監禁してしまう。

 これだけ書くと、自らの欲望のために女を拘束する、悪魔のような変態監禁犯――と思うところ。だが、それを船越が演じることで、全く異なる印象を受けることになる。

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