2017/08/14 17:00

見捨てられる前線兵士へ 喜八流「陽気な鎮魂歌」!――春日太一の木曜邦画劇場

1962年作品(102分)/東宝/4500円(税抜)/レンタルあり
1962年作品(102分)/東宝/4500円(税抜)/レンタルあり

 岡本喜八監督は『独立愚連隊』以降、第二次大戦下の中国北方の戦線を舞台にした映画を立て続けに撮っている。

 それらの作品はいずれも、軍隊の組織からはみ出した兵士たちが破れかぶれな戦いを繰り広げていく内容で、西部劇を下敷きにしたスピーディでスケールの大きいアクションとシニカルな笑いに満ちた、日本映画では珍しい娯楽色の濃い仕上がりになっている。

 今回取り上げる『どぶ鼠作戦』も、そんな一本だ。

 主人公の林一等兵(加山雄三)が、豚を抱えて荒野を歩く――という冒頭が示しているように、本作は一連の作品の中でもコミカルさが強い。

 物語は、中国人に化けて敵地で工作することを専らにする特務隊長・白虎(佐藤允(まこと))が、八路軍に捕らわれた師団長の息子(夏木陽介)を救出に向かうというもの。白虎は軍法に違反した「ガラクタ」と呼ばれる兵士たち(加山、田中邦衛、中谷一郎、砂塚秀夫)を率いて、敵地深くに潜入していく。いかに敵の目から逃れ、敵の目をくらましながらミッションを達成するか。その様がスパイ映画のようなスリリングさの中で描かれていくのだが、そこは岡本喜八。決して生真面目に撮ることはなく、全編を通して喜劇的なエッセンスに貫かれている。

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