2017/09/18 17:00

臓器移植の葛藤を描く 映画「あさがくるまえに」を採点!――シネマチャート

©Les Films Pelléas, Les Films du Bélier, Films Distribution / ReallyLikeFilms
©Les Films Pelléas, Les Films du Bélier, Films Distribution / ReallyLikeFilms

〈あらすじ〉

ル・アーヴルに暮らす17歳のシモンは、友達とサーフィンをした帰り道に交通事故に巻き込まれ、脳死と診断される。移植コーディネーターのトマ(タハール・ラヒム)からシモンの臓器提供を持ちかけられた母親のマリアンヌ(エマニュエル・セニエ)は、息子の死を受け入れることができず拒絶する。パリでは、2人の息子をもつ音楽家のクレール(アンヌ・ドルヴァル)が、心臓の疾患に苦しんでいた。容態は日に日に悪化し、臓器移植しか選択肢はないが、若くない自分が他人の命と引き換えに延命することに葛藤している。ある日彼女に、シモンの両親が臓器提供を承諾したため、担当医から連絡が入る。

〈解説〉

フランスの俊英監督カテル・キレヴェレの長編3作目にして日本初公開作。臓器を媒介にした2つの家族と医師たちの群像劇。104分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★☆☆臓器移植という微妙な題材を群像仕立てでという試みが成功したとは思えず、やや散漫な印象。撮影は見所ありだけど。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆臓器移植の主題が露出したときは病院メロドラマかと身構えたが、よく踏みとどまっている。移動撮影の精度は技能賞だ。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆心臓移植の経緯が淡々と描かれ、青年の美しさや両親の悲しみは、時を刻む現実の迫力には抗えず。救いに地獄を見る。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★☆☆最初の15分ほどは映像感覚がハネていて陶然。だが物語に沿うと凡庸になる。この監督の潜在能力が活きる題材を期待。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆死と生が潜む映像。なぜかクローネンバーグ、黒沢清映画を想起させる魅力的な登場人物。解剖学的メロドラマの趣き?

INFORMATION

「あさがくるまえに」(仏・ベルギー)
9月16日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー
監督・脚色・台詞:カテル・キレヴェレ
出演:タハール・ラヒム、エマニュエル・セニエ、アンヌ・ドルヴァル、ドミニク・ブラン ほか
https://www.reallylikefilms.com/asakuru

(「週刊文春」編集部)

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