2017/09/19 17:00

差別される少女の成長物語 映画「サーミの血」を採点!――シネマチャート

©2016 NORDISK FILM PRODUCTION
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〈あらすじ〉

クリスティーナ(マイ=ドリス・リンピ)は妹の葬儀に参列するために、10代の頃に捨てた故郷ラップランドを訪れた。彼女が少女だった1930年代、スウェーデンでは先住民族のサーミ人が差別的な扱いを受けていた。サーミ人の少女エレ・マリャ(レーネ=セシリア・スパルロク)は、ある夏祭りでスウェーデン人の少年ニクラスと出会い、恋に落ちる。そのときに、とっさに名乗った名前がクリスティーナだった。後日、彼女は家出して町の学校に入学し、クリスティーナとしての生活を始めるが、経済的な問題が立ちはだかる。自分が相続したトナカイの売却を母親に拒絶されたエレ・マリャは、故郷を捨ててクリスティーナとして生きるために、ある行動に出る。

〈解説〉

アマンダ・シェーネル監督が、自身のルーツであるサーミ人の少女を主人公に描く成長物語。108分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★☆☆ヒロインの強引な言動とおばちゃん体型に辟易しながら観ていたが、しだいに圧倒され脱帽気分に。老いの姿もすごい迫力。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆少数民族の描写に新味はないが、アイデンティティの境界線に立つきわどさと、北欧の原野が共振している。やや硬いか。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆己に流れる血に対する嫌悪と、自立を許さない閉じ込められたような生活への怒りに共感。姉妹を演じた本物の姉妹に☆。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆差別の構造は「定石通り」だからこそ根深く、自由への道はやはり険しい。陰の歴史を掘り起こす北欧映画の重要作だ。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆ラップランドを背景に静穏だが血潮漲る少女の表情。苦味から甘さ、過去と現在を巧みに繋ぐ演出。耳朶に残る力作。

INFORMATION

「サーミの血」(スウェーデン・ノルウェー・デンマーク)
9月16日(土)より、新宿武蔵野館、アップリンク渋谷ほか全国順次公開
監督・脚本:アマンダ・シェーネル
出演:レーネ=セシリア・スパルロク、ミーア=エリーカ・スパルロク、マイ=ドリス・リンピ、ユリウス・フレイシャンデル、ハンナ・アルストロム、オッレ・サッリ ほか
http://www.uplink.co.jp/sami/

(「週刊文春」編集部)

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