2017/09/26 17:00

仲代と門下生・役所広司 映画での師弟演技対決!――春日太一の木曜邦画劇場

1999年作品(115分)/KADOKAWA/2800円(税抜)/レンタルあり
1999年作品(115分)/KADOKAWA/2800円(税抜)/レンタルあり

 仲代達矢が映画・演劇界に標してきた功績は大きい。役者としての幾多の名演はもちろんだが、それだけではない。自ら私塾「無名塾」を主宰し、数々の後進たちを育成してきたことも忘れてはならない。

 その役者人生をインタビューさせていただいた最新刊『 仲代達矢が語る日本映画黄金時代 完全版 』(文春文庫)の取材にあたり、筆者は無名塾での仲代の新人たちへの稽古風景を何度か取材させていただいた。その際、仲代は発声や歩き方など、基礎的なことを徹底して教え込んでいた。無名塾出身の役者たちが、長年に亘って足腰の強い芝居を続けられているのは、早い段階にこうした基礎を叩き込まれているからだと痛感できた。

 そして、こうした師弟関係が前提にあるからこそ、観る側としては映画やテレビドラマでの塾出身者と仲代との演技対決にワクワクしてくる。その最たる作品が今回取り上げる『金融腐蝕列島 呪縛』だ。

 物語の舞台となるのは、総会屋への不正融資疑惑に揺れるとある大手銀行。主人公の北野(役所広司)ら中堅行員四人は、ニュースキャスターの美豊(若村麻由美)と共に銀行の浄化と再生のため真相究明に立ち上がる。だが、財界の大物で不正の黒幕でもある佐々木相談役(仲代)が、彼らの前に立ちはだかった。

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