2017/11/14 17:00

池部良が演じる真面目男 出来心で堕ちる惨めさ!――春日太一の木曜邦画劇場

1961年作品(96分)/東宝/4500円(税抜)/レンタルあり
1961年作品(96分)/東宝/4500円(税抜)/レンタルあり

 松本清張原作の映像化作品の最大の魅力は「真面目に生きてきた人間がふとした誘惑に負け、やがて転落していく」という、理不尽な物語展開だ。

 それだけに、主人公に配役されるのはどこか生真面目そうなイメージの強い役者が多く、彼らが誘惑と転落のドラマを通して演じている、他の作品ではなかなかお目にかかれない狂気と情けなさに満ちた一面が見せ場になっている。『黒い画集 あるサラリーマンの証言』の小林桂樹、『影の車』の加藤剛はその代表例だ。

 今回取り上げる『黒い画集第二話 寒流』における池部良もまた、そうだった。

 池部良といえば清廉な二枚目。多くの役柄で正義や良心を体現してきた役者だ。それが、本作でひっくり返る。

 物語の舞台となるのは、とある大手銀行。池部が扮する主人公の銀行員・沖野は、同期だが親のコネで常務に出世した桑山(平田昭彦)に媚びることで引き立てられ、池袋の支店長に昇進できた。

 だが、沖野に思わぬ落とし穴が待ち受けていた。妻子あるにもかかわらず料亭の美人女将・奈美(新珠三千代)と肉体関係を結んでしまうのだ。

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