2017/11/28 17:00

レーダー設置の為、酸素薄い標高で闘う男たち!――春日太一の木曜邦画劇場

1970年作品(125分)/ポニーキャニオン/3800円(税抜)/レンタルあり
1970年作品(125分)/ポニーキャニオン/3800円(税抜)/レンタルあり

 先日、雲南省とチベットの境にある街にとある仕事で出張してきた。空港やホテルですら標高三五〇〇メートルあるその街での滞在は、到着して数日後に高度に順応するまでの間、とにかく大変だった。

 なにせ、酸素が薄いのだ。高山病になりかけてホテルの部屋で休んでいても、トイレまで小走りしてベッドに戻ったらもう息切れしている。しかも、その息切れがなかなか収まらない。東京では気づかない「酸素のありがたさ」を体感させられる旅となった。

 今回取り上げる『富士山頂』は、筆者が苦しめられたのとほぼ同じくらいの標高を舞台に、途方もないプロジェクトに挑んだ男たちの物語である。

 時は一九六〇年代前半。気象庁の葛木(芦田伸介)はある計画を思い立つ。富士山頂に気象レーダーを設置すれば日本列島から遠く離れた場所に発生した台風の動きも察知し、被害を減少させられる――。ただそれは、現在とは異なり登山道も整備されていない標高三七七六メートルまで大量の建築機材・資材を運び、厳しい自然環境の中での作業を要する、当時の状況下では無謀とも言える過酷な計画だ。レーダー製造を請け負った三菱電機の技師・梅原(石原裕次郎)らプロジェクトチームが、それに挑戦していく。

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