2017/12/05 17:00

日中平和友好条約の年に中国公開され大ヒット!――春日太一の木曜邦画劇場

1970年作品(125分)/ポニーキャニオン/3800円(税抜)/レンタルあり
1970年作品(125分)/ポニーキャニオン/3800円(税抜)/レンタルあり

 先日、一週間ほど中国出張してきたのだが、都市部では広範囲にわたって空間を埋め尽くすほどにタワーマンションが林立、加えて大気汚染が酷かった。その開発されぶりからは、日本でいう高度経済成長とバブルが一度に来たような景気の良さを感じ取れた。

 このお祭り騒ぎ的な金回りの良さは映画界も同様で、ハリウッドの大物プロデューサーすらちょっとした打ち合わせだけのために呼び出され、言われた通りにはるばる北京までやってくるほどだった。昨今の日本映画界の貧しさを思うと、それはまるでファンタジーのようにすら見えた。

 そして――今度の出張とは関係のない話なのだが――そんな中国映画界で、一本の旧作邦画がリメイクされるという。それが、今回取り上げる『君よ憤怒の河を渉れ』だ。日中平和友好条約が締結された一九七八年に中国で公開され、大ヒットを遂げている。

 いわれない無実の罪で強盗殺人容疑をかけられた検事・杜丘(高倉健)の逃避行と、追跡の指揮を執る矢村警部(原田芳雄)による杜丘を陥れた黒幕探しが物語の軸だ。何も分からないまま罠に嵌められて勾留、不利な証言や証拠をでっちあげられて追いつめられ、隙をみて逃走――という杜丘のスリリングな展開がノンストップで繰り広げられる冒頭に始まり、逃走先の北海道の山中での銃撃戦やヒグマとの死闘。話は次々とめまぐるしく動いていく。

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