2018/02/02 17:00

小林茂「柳澤寿男監督の歩みは戦後日本そのもの」

 ドキュメンタリーの巨匠として知る人ぞ知る故・柳澤寿男(ひさお)監督の、初の大規模な特集上映が東京・渋谷のシネマヴェーラで行なわれる。

「柳澤監督は戦前に劇映画でデビューしましたが、記録映画に転向、1946年、『東京裁判 第三輯 真珠湾奇襲』を撮りました。戦後は産業紹介などを手がけていたものの、神通川イタイイタイ病の発生源となった企業の宣伝映画を作ってしまったことに悩み、60年代には自主制作映画を作るようになりました」(小林茂監督。最新作『風の波紋』)

 重症心身障害児療育施設を数年にわたり撮影した『夜明け前の子どもたち』(68年)など“福祉5部作”と呼ばれる作品群は、今なお高い評価を得る。小林監督は5部作の最後の2作でスチール、助監督を務め、ドキュメンタリー監督として多大な影響を受けた。

「性別、人種、国柄関係なく、人は平等という考えを徹底していました。被撮影者である障害者に謙虚に学び、人はなぜ生きていくのか、人間とは何か、ということを常に根っこに持っていた人だと思います。柳澤監督の歩みは戦後日本そのもの。まずは監督の名前と作品を皆さんに知ってほしいです」

INFORMATION

『戦後映画史を生きる 柳澤寿男監督特集』
2月3日~16日。小林監督ほか三人のトークショーあり
https://www.cinra.net/event/20180203-yanagisawatoshio

(「週刊文春」編集部)

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