2018/02/20 07:00

楠木建が勧める「イヤな気持ちを楽しむ特殊読書」

(c)iStock.com
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「特殊読書」の概念

 あくまでも個人的な好き嫌いの話として聞いていただきたい。毎回おことわりしているのだが、今回はとくに個人的な好き嫌いの話として聞いていただきたい。

  前回 に引き続き読書の話である。

 つまらない本は読まないに限る。前回も話したように、僕は本を読み出して面白くなさそうだったらすぐに読むのをやめてしまう。ただし、つまらない本とイヤな本は違う。イヤな本は面白い。自分と考えや意見や好みやスタイルがまったく合わない。そういう人が思いっきり熱く自己を主張している。読んでいてヒジョーにイヤな気持ちがする。それを読むのが嫌いじゃない。というか、わりとスキ。私的専門用語で言うところの「特殊読書」だ。

 例えば、スーザン・ソンタグの自伝 『私は生まれなおしている』 。良し悪しではなくて単なる僕の個人的な好き嫌いに過ぎないのだが、とにかくありとあらゆる面で(僕にとっては)イヤな感じが横溢している。ソンタグだけはどうにも忖度できない。何度生まれなおしてもこの人とは友達になれない気がする。特殊読書として最高に面白い。心の底からイヤな気持ちになれる。大好きな一冊だ。いや、大キライだから大スキなんですけど。

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