2018/05/22 17:00

夫婦生活52年の画家と妻が過ごすある夏の一日 「モリのいる場所」を採点!

©2017「モリのいる場所」製作委員会
©2017「モリのいる場所」製作委員会

〈あらすじ〉

モリこと画家の熊谷守一(山﨑努)は、名声も金銭も求めずに、午前中は東京都豊島区にある自宅の庭で生き物を観察し、午後に眠り、夜中になるとアトリエで絵を描く生活を続けている。昭和49年の夏、94歳になったモリは、妻の秀子(樹木希林)と姪の美恵(池谷のぶえ)に支えられ、相変わらずの生活を送っている。この日は、モリに看板を描いてほしいという温泉旅館の主人(光石研)や、モリを追いかけているカメラマン(加瀬亮)とその助手(吉村界人)、隣に建設中のマンションオーナー(吹越満)と現場監督(青木崇高)など、多くの来客があった。マンションが建つと庭に日が当たらなくなるため、モリは生き物たちをどうするべきか頭を悩ませていた。

〈解説〉

夫婦生活52年の画家と妻が過ごすある夏の一日をユーモラスに描く。監督・脚本は『モヒカン故郷に帰る』の沖田修一。99分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆風貌も個性も強かった熊谷守一を演じるのは難しかったろう。作品を織り込んだ構成で救われた。庭が全世界の暮らし。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★☆☆☆庭という小宇宙に身を置き、虫の眼で虫を見る姿勢は落ち着くが、散見される小技が歯がゆい。通風孔は必要だったのか。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆老夫婦がひっそり暮らす、実は人の出入りが多い昭和の家が見事に再現。あの世とこの世の狭間のような風情が楽しい。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆世俗と超俗が押し競饅頭する世界像の塩梅が好ましい。手仕事も行き届き、特に庭は◎。『人生フルーツ』と併せて観たい。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆モリ=庭の森を意識した庭や縁側、撮影。夫婦役の先輩方から“引き算”の美学を探る。熊谷守一を知るよいきっかけに。

INFORMATION

「モリのいる場所」(「モリのいる場所」製作委員会)
5月19日(土)より、シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー
監督・脚本:沖田修一 
出演:山﨑努、樹木希林、加瀬亮、吉村界人、光石研、青木崇高、吹越満 ほか
http://mori-movie.com/

(「週刊文春」編集部)

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