2018/06/19 17:00

夏目漱石作品をタイトルに冠したホン・サンスの人間ドラマ 「それから」を採点!

© 2017 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.
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〈あらすじ〉

著名な文芸評論家で、小さな出版社を営むボンワン(クォン・ヘヒョ)は、毎朝4時半に起床して出勤し、夜遅くまで帰宅しないため、妻から浮気を疑われている。ボンワンの会社に勤めることになったアルム(キム・ミニ)は、出勤初日に事務所におしかけてきた女にいきなり殴られる。浮気の証拠を見つけたボンワンの妻が、アルムを浮気相手と勘違いしたのだ。なんとか言い逃れたボンワンが、アルムにお詫びとして夕食をごちそうしていると、アルムの前任者でボンワンの愛人が突然現れる。お互いの愛を確かめあった2人は、アルムに理不尽な要求を突きつける。

〈解説〉

『自由が丘で』のホン・サンス監督が、夏目漱石の小説をタイトルに冠し、人生のままならなさをユーモラスに描くモノクロ作品。91分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆どうということもない話だが、自然なおかしみもあり、キム・ミニの表情やしぐさも小動物的愛らしさで、愉しい小品に。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆だらしなく見えて、男前の映画だ。考え抜いた末の見切りのタイミングが絶妙で、意図的な楕円の構造も効いている。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★☆☆ホン・サンス監督作品が嫌いならば、相変わらずの不快感を味わわずにおれないが、映像が美しくて見入ってしまった。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆軽量化して爛れた円熟に傾くホン・サンス。男のエゴの周りを女たちが回る構図で、虚無の奥行きが凄い。余韻は満点級。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★★不倫ネタでこんなにエレガントな映画を撮るとは! 思わず頷く愛の観察眼。新ミューズを得て益々無敵なホン・サンス。

INFORMATION

「それから」(韓)
ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開中
監督・脚本:ホン・サンス
出演:クォン・ヘヒョ、キム・ミニ、キム・セビョク、チョ・ユニ、キ・ジュボン、パク・イェジュ、カン・テウ ほか
配給:クレストインターナショナル
crest-inter.co.jp/sorekara

(「週刊文春」編集部)

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