2018/06/26 17:00

「ペーソス」が匂い立つ山田洋次のデビュー作!――春日太一の木曜邦画劇場

1961年作品(56分)/松竹/2800円(税別)/レンタルあり
1961年作品(56分)/松竹/2800円(税別)/レンタルあり

 今回は『二階の他人』を取り上げる。山田洋次の監督デビュー作である。

 山田洋次といえば、『男はつらいよ』シリーズで知られており、近年でも『家族はつらいよ』シリーズを撮っていることから「喜劇の得意な監督」というイメージをお持ちの方も少なくないだろう。ただ、「山田喜劇」は、いざ「抱腹絶倒のコメディ」を期待して「笑おう」として臨むと肩透かしを食らう。渥美清という天才的な役者の力によりカバーしている『男はつらいよ』を除くと、陰気で重苦しく、コメディ映画に求められる軽妙さや洒脱さは全くないのだ。

 本作もまた、しかり。

 DVDのコピーには「コミカルに描く 新婚夫婦のてんやわんや」と書いてあるが、その文言から想像できるような賑やかな楽しさを期待すると、それは見事に裏切られる。

 若い主人公夫婦(小坂一也、葵京子)は生活の足しにと家の二階を間貸しすることになる。だが、やってきた入居者はいずれもクセ者ばかりでトラブルが相次いでいった――そんな設定だけを読むと、「生真面目な主人公が奇天烈な店子たちに振り回される」という展開を容易に想像でき、そのためつい「さぞや楽しいコメディ映画だろう」と思ってしまう。が、実際は違った。

今日の運勢

おひつじ座

全体運

焦らずのんびりいこう。プライベートの充実に力をいれると吉。...もっと見る >