2018/08/07 16:00

橋本忍と加藤剛。巨星が語った最高の日本映画!――春日太一の木曜邦画劇場

1974年作品(143分)/松竹/2800円(税抜)/レンタルあり
1974年作品(143分)/松竹/2800円(税抜)/レンタルあり

 二人の巨星の訃報が流れた。加藤剛、そして橋本忍。お二方とも、表現者としての人生を振り返る長時間のインタビューをした最後の相手は、おそらく筆者だったと思う。

 そこで今回は取材でうかがった話を交えつつ、橋本脚本・加藤主演の映画『砂の器』を取り上げることにする。

 原作は松本清張の同名小説。ある殺人事件を今西刑事(丹波哲郎)が追うミステリーで、加藤剛は犯人である気鋭の音楽家・和賀英良を演じた。

 加藤自身は本作に手応えを感じてはいなかったようで、インタビューの際、「私としてはあまりよくできたと思っていません」と語っている。そして、こう続けた。「私より、私の少年時代を演じた子役の人や父親役の加藤嘉さんの演技がいいんで作品が良くなったんだと思います」

 その認識の通り、本作の最大の見せ場は回想場面にある。

 物語の終盤、今西の捜査報告と、コンサートでテーマ曲「宿命」を演奏する和賀の回想とが交錯する形で、事件の背景となる和賀の少年時代の映像が綴られる。そこでは、理不尽な事情で社会から疎外されることになった父子の当て所ない旅が描かれていた。

今日の運勢

おひつじ座

全体運

雑誌をチェックして、映画やコンサート、アート系の展覧会に出...もっと見る >