2018/10/16 17:00

大杉漣、最後の主演作 「教誨師」を採点!――シネマチャート

©「教誨師」members
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〈あらすじ〉

牧師の佐伯(大杉漣)は、半年前から教誨師として拘置所に通っている。面会するのは、無言を貫く鈴木(古舘寛治)、気さくなヤクザの組長(光石研)、年老いたホームレス(五頭岳夫)、おしゃべりな中年女性(烏丸せつこ)、家族思いの気弱な中年男性(小川登)、大量殺人を犯した若者・高宮(玉置玲央)ら、6人の死刑囚だ。彼らが自らの罪を悔い改め、安らかに死を迎えられるようにと、佐伯は対話を重ねていく。しかし、一筋縄ではいかない6人の反応に、彼らへの導きが正しいことなのか苦悩し、自身の人生に向き合うことになる。

〈解説〉

今年2月に急逝した俳優・大杉漣が、初めてプロデューサーに名を連ねた、最後の主演作。脚本と監督は『ランニング・オン・エンプティ』の佐向大。教誨師と死刑囚たちの会話から、“生”の意味を探る人間ドラマ。114分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆一種の密室劇だが、演者たちの入魂の演技(微妙なおかしみも)で凝視させられる。大杉漣の風貌・人柄も生かされた。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★☆☆☆役者がヘッドギアを付けずに、言葉で殴られている。その誠実さは疑いを容れないが、人の心はもう少し複雑だと思う。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆刑務所や少年院で活動するボランティアの宗教家を教誨師と呼ぶと知った。舞台劇のようで不思議なリアリティがある。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★★平成最後の『絞首刑』か。熱っぽい言葉と映像の工夫で難題に挑む愚直さに心打たれる。大杉漣に涙し鳥丸せつこに感嘆。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★★何かある。あの部屋の片隅に、どこかに。“不可視”という得体の知れぬ恐怖。大杉連の魂が映画の隅々に生きていた。

INFORMATION

教誨師
有楽町スバル座、池袋シネマ・ロサほか全国順次公開中
監督:佐向大
出演:大杉漣、玉置玲央、烏丸せつこ、五頭岳夫、小川登 ほか
配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム
http://kyoukaishi-movie.com/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2018年10月18日号)

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