2018/10/23 17:00

不器用で純情な石松の恋 森繁の至芸を堪能する!――春日太一の木曜邦画劇場

1954年作品(102分)/東宝/11000円(税抜)/(写真は第七部~第九部セットの第三集)/レンタルあり
1954年作品(102分)/東宝/11000円(税抜)/(写真は第七部~第九部セットの第三集)/レンタルあり

 今回は 前回 に引き続き、マキノ雅弘監督が幕末の侠客・清水次郎長とその一家の活躍を描いた『次郎長三国志』九部作の一本、『第八部 海道一の暴れん坊』を取り上げる。

 本作は前回の第三部と同様に次郎長(小堀明男)の子分・森の石松(森繁久彌)の活躍が描かれており、第三部以上に「これぞ役者!」と言いたくなるような、森繁の至芸を存分に堪能することができる。

 物語は、石松が次郎長の代参で讃岐の金毘羅詣でに向かうところから始まる。一家の仲間たちは石松に土産を望むのだが、それは名物などの物産品ではなく、「女との惚気話」だった。生来の吃音と喧嘩で潰れた片目により石松は自身に強いコンプレックスを抱いていたのに加えて、度の過ぎた純情と不器用さの持ち主でもあったため、女性とまともなコミュニケーションができずにいたのだ。仲間たちはそんな石松のことを想って、道中で恋の一つでも成就してくれたらと願って「土産」に「惚気話」を望んだのだ。このなんとも粋な計らいはさすがマキノ作品であり、同時に監督の石松に対する強い愛情が伝わる展開といえる。

今日の運勢

おひつじ座

全体運

集中力を発揮すると、思わぬ成果を上げられそう。何か一つ目標...もっと見る >