2017/10/20 20:00

秋限定の日本酒「ひやおろし」を、より楽しめるイベントを専門家がタイプ別にオススメ!

 お酒が好きかたなら酒屋や飲食店で、この時期よく目にするであろう日本酒の「ひろおろし>」「秋あがり」という言葉。瓶のラベルや、ラベルとは別に目立つよう貼られたこの言葉は何なのか? 知ったつもりになって今さら聞けないその意味と、そんな「ひろおろし」「秋あがり」を楽しむことができる、9月から10月に多く開催される試飲会などの日本酒イベントの楽しみ方を提案します。


●秋ならではの楽しみ「ひやおろし」「秋あがり」とは?

ひやおろし

秋あがり……製法や保存方法に関係なく、春先にできたお酒が夏を越して秋口になってから出荷されるお酒のこと。または2度火入れして秋口を迎えたお酒のこと。

 このように言われてはいますが、実は厳密な定義はなく、酒蔵によって「ひやおろし」と「秋あがり」の使い分けは異なります。だから、どちらも一定の期間を経て熟成させたことによって、つくりたての新酒にあった荒々しさ、とげとげしさが落ち着き、味や香りがまろやかになったもの、と覚えておくと良いでしょう。

 酒づくりというのは一般的に、10月下旬から5月上旬頃までの気温が低い期間におこなわれます。11月以降徐々に出荷されてくる新酒は、フレッシュな口当たりや、その年の酒米の出来、酒の出来を確認する楽しみを持ち合わせています。しかし生まれたての赤ちゃんみたいな新酒は、扱いによって変化しやすい日本酒のなかでもより繊細。飲み方や保管は、それぞれに適した方法を見極める必要があります。その一方で、「ひやおろし」は新酒に比べ熟成が進んでいたり、味わいがまろやかになって落ち着いている分、冷酒、常温、お燗…と比較的幅広く楽しむことができるので、サンマやきのこ、根菜など旬の食材を使った料理にも合わせやすい傾向があります。


●初心者は試飲会へは行くな!? 日本酒イベントの特徴

 ひやおろしが出てくるこの時期、日本酒のイベントが各地で開催されています。飲食店主催、各県酒造組合主催、民間企業主催などさまざまなものがあるので、これからはじめての日本酒イベントに出掛けようとしている人のため、それぞれの特徴と、オススメ度を5つ星で紹介します。

・飲み歩き型(イベント初心者オススメ度★★★★★)
 街おこしも兼ねていくつかの飲食店をハシゴして飲み歩くタイプと、屋外にテントを張って、日本酒とおつまみを楽しめるタイプがあります。いきなり知らない店に行くのは気が引ける、勇気がいる、という方でも気軽にお試し体験ができるので、イベントで出会って気に入った店に後日改めて訪れてみるつもりで、自分に合う飲食店をチェックしてみると良いでしょう。
【参加費目安:3,000~6000円、別途店舗での飲食代がかかる場合あり】

・着席型(イベント初心者オススメ度★★★★)
 料理にあわせてお酒が順番に回って来るもっとも初心者向けのイベントです。蔵が主催するものは、同じところでつくったお酒でもいろんな種類があるという発見があり、飲食店主催のものは食事との相性(マリアージュ)が楽しめます。とはいえ、どのイベントを選べばよいかわからないと思うので、日本酒情報に詳しい友人や同僚に声をかけて連れていってもらうのが良いでしょう。
【参加費目安:6,000~10,000円】

・蔵開き(イベント初心者オススメ度★★★)
 いろんな日本酒を飲んだ後、お気に入りの銘柄ができてから参加することをオススメします。水や米、地元で食べられている食事の味付けによってその日本酒の味が左右されているので、好きな日本酒がつくられる土地をまるごと味わうのは貴重な体験となるでしょう。その日の光景を思い出しながら飲むお酒はよりおいしく感じるものです。ただし、酒蔵は交通のアクセスが悪いところも多く、必ずしも蔵開きのイベントをおこなっているわけではないので、初心者にはハードルが高いかも。近くに開放している酒蔵がもしあれば、家族や友だちと参加してみるのも楽しいでしょう。
【参加費目安:無料~500円、別途試飲代・お土産代】

・角打ち型(イベント初心者オススメ度★★★★★)
 酒屋の店頭で試飲&即売イベントをおこなうことがあります。他のお酒と比べると、決して高価ではありませんが、一つの銘柄を選んで購入するのはなかなか難しいもの。酒屋のスタッフから蔵のことを聞き、味をチェックした後で購入ができるのでどんな人にも安心です。
【参加費目安:100~1,000円、別途酒購入代】

・回遊型(イベント初心者オススメ度★)
 ホテルやホールなどのイベント会場に、いくつもの酒蔵が集ってブースを構え、それぞれを回りながら話を聞くタイプのイベントです。飲み歩く、というよりはテイスティング(利き酒)をする目的のイベントなので、多い時には100もの蔵が集まり、300種類を超えるお酒が集まる場合があります。主に飲食店や酒屋などのプロが新しい商材を探す場として利用するものなので、お酒を注いでもらうタイミングや方法、飲み方にはコツが必要です。決して“飲み放題”としてのイベントではありませんので、初心者にはあまりオススメしません。
【参加費目安:1,000~4,000円】


 このように日本酒イベントとひと口にいっても、さまざまなタイプがあります。自分に合ったイベントに参加して、より日本酒を楽しんでください。

 9月から10月下旬にかけて開催される日本酒イベントには、味がまろやかになった『ひやおろし』が登場することも多いです。11月になれば、全国の酒蔵から次々と新酒の便りが聞こえはじめます。「これから出てくる新酒の出来はどうだろうな?」「どんなものができてくるのかな」と期待に胸をふくらませながら、今夜もまた盃を傾けるとしましょう。日本酒に乾杯!
(文=関友美/日本酒ライター)

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