2017/05/30 18:54

ぜんぶ手描き!映画看板絵師として約60年、職人芸の個展が開催

手描きのオードリー・ヘプバーン
手描きのオードリー・ヘプバーン

 茨城県水戸市で映画看板絵師として活躍すること約60年の大下武夫さんが、オードリー・ヘプバーンや石原裕次郎など映画スターを描いた個展「スクリーンの仲間たち」を5月30日~7月16日、同市備前町の常陽史料館で開催する。今では数少なくなった映画看板絵師の職人芸を間近で鑑賞できる貴重な機会となりそうだ。(中山治美)

 ひと昔前まで映画館といえば、一般館が主流だった。入り口には上映作品を告知する大きな看板が掲げられ、ド迫力のスター俳優たちのイラストと躍動感溢れる手書きの文字が目を引き、否応なく観客の期待感を煽った。そのイラストは、遠方からの方が役者の表情が立体的に見えるよう、絶妙に甘さと荒さを残しつつ描かれていたという。映画産業全盛期は毎週のように新作が公開されるため、各映画館は専属の絵師を抱えていたこともある。

 今年75歳となった大下さんは、16歳でこの世界に入った。東映直営館の専属絵師を経て、1968年に26歳で独立。繁忙期は1970年代後半から1980年代で、水戸市内にあった11館の映画館全ての看板を手がけていたことから常に締め切りに終われる日々で、大下さんは「今でも楽日(興行の最終日)が頭から離れないし、寝ている時に、無意識に看板を描くように手を動かしているらしい」と笑う。

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