2018/03/28 04:36

オスカー受賞の辻一弘、苦悩と栄光「自分に合った生き方を」

辻一弘さん本当におめでとうございます!
辻一弘さん本当におめでとうございます!

 映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(3月30日公開)の主演ゲイリー・オールドマンを特殊メイクでかの有名な英国首相ウィンストン・チャーチルに変身させ、第90回アカデミー賞メイク・ヘアスタイリング賞に輝いた辻一弘。2012年に映画界を去った彼はなぜ本作を引き受けたのか。そして、栄光をつかんだ裏側にあった苦悩や信念を、辻本人が語った。(編集部・石神恵美子)

これしかない!運命を変えた出会いたち

 現代美術の分野に転向していた辻を、映画界に引き戻したのが、主演のゲイリーだったというのは、アカデミー賞受賞のおかげで知られた話となっている。「ゲイリーさんと初めて会ったのは、『PLANET OF THE APES 猿の惑星』(2001)のときです」。同作への出演が決まっていたゲイリーの顔型を取ったりもしたそうだが、事情によりゲイリーが降板、そのときは初仕事とはいかなかったが、その後もたびたび縁があったという。「2002年に僕の師匠であるディック・スミスさんの誕生日のお祝いにつくった肖像の彫刻がありまして、ゲイリーさんがそれを見て感動されたそうで、いつか仕事したいと思ってくれていたらしいんです。2012年にも、ある人が僕のドキュメンタリーを撮って、ゲイリーさんがインタビューとナレーションをつけてくれました」。それから時が経ち、2015年。「ウィンストン・チャーチルの映画をつくるということで、もし僕がメイクをできるんであればやるけど、できないんであればつくらないと言われて。僕自身映画の仕事をもうやっていなかったので、どうしようかなと。映画の仕事が嫌で辞めて、芸術の方向にいったので。ころっと戻ったら、自分の人生を裏切っているような気がしたんです」。現代美術に転向してから、映画メイクの仕事は一切断ってきた辻。即答できずに1週間考え続け、下した決断には、自らが特殊メイクアップアーティストを志すきっかけになった作品の存在があったと振り返る。「ディックさんが俳優のハル・ホルブルックさんにやったリンカーンのメイクを見たときにこれしかないと思って、僕は始めたんですよ。特殊メイクやって23年くらいですけど、その中でホラーやコメディー、SFばかりで。自分がインスパイアされたリンカーンのような作品には恵まれなかったんですね。ここにきて、同じような系統の伝記ドラマの仕事だったので。あとは、ゲイリーさんと一緒に仕事したいと以前から思っていましたし、ちゃんとしたストーリーを持った映画で、やりたい内容のメイクだったので、考えた末にやりますと返事をしました」。

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