2018/06/01 12:04

鮮烈なトラウマ描写!『ビューティフル・デイ』リン・ラムジー監督、セリフに頼らない映画表現へのこだわり

ホアキン・フェニックス演じる主人公ジョーの武器はハンマー! Copyright (C) Why Not Productions, Channel Four Television Corporation,and The British Film Institute 2017. All Rights Reserved. (C) Alison Cohen Rosa / Why Not Productions
ホアキン・フェニックス演じる主人公ジョーの武器はハンマー! Copyright (C) Why Not Productions, Channel Four Television Corporation,and The British Film Institute 2017. All Rights Reserved. (C) Alison Cohen Rosa / Why Not Productions

 映画『少年は残酷な弓を射る』で知られるリン・ラムジー監督が、第70回カンヌ国際映画祭で男優賞と脚本賞の2冠に輝いた新作スリラー『ビューティフル・デイ』を引っ提げて来日し、説明的なセリフは排し、映像と音響という非常に映画的な表現で撮り上げた同作について語った。

 主人公は、売春のために人身売買される少女たちを助け、その報酬で暮らしている退役軍人のジョー(ホアキン・フェニックス)。アメリカ人作家ジョナサン・エイムズの小説を原作にしているが、もともと脚本はダメ元で書き始めたという。「本当に映画にできるのかどうかはわからなかった。第1稿はギリシャの島で火山を見ながら(笑)4週間で書いたんだけど、ホアキンが参加することになって全てがすごい速さで進んでいったの」。

 ラムジー監督は複雑で暴力に満ちたジョーの過去を、説明的なセリフに頼ることなく鮮烈な映像と音響で見事に伝えている。「話されないこと、表情、余白といったものは、20行のセリフよりもキャラクターを表現できると思う」というラムジー監督は、「長々としたフラッシュバックを使うのが好きではなくて。その中でキャラクターの物語を語ってしまうというのがね。それはやりすぎで、わたしは必要なのはほんの断片なんだと思う。実際に人間の心が働くように、彼のトラウマの物語を見せたかった。でも次の映画ではもっとセリフを使って、全く違った表現にしてみようかな」と笑った。

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