2019/01/14 08:15

柳楽優弥『誰も知らない』成功後の試練

柳楽優弥 写真:上野裕二
柳楽優弥 写真:上野裕二

 スクリーンの中の柳楽優弥から、ますます目が離せなくなってきた。路上での殴り合いに情熱を燃やす青春映画『ディストラクション・ベイビーズ』(2016)や人気コミックを実写化した『銀魂』シリーズ(2017・2018)など、振り切ったキャラクターに挑戦し、観客に強烈なインパクトを与えてきた。そんな柳楽が久々にナイーブな若者を演じているのが、彼を見いだした是枝裕和監督の愛弟子である広瀬奈々子監督の長編デビュー作『夜明け』だ。本作を通し、プレッシャーに悩まされた10代から、幅広い演技力を身につけ新たな支持層を獲得した現在までを振り返った。

 『誰も知らない』(2004)に主演した柳楽がカンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞したのは14歳のときだった。「天才子役」として一躍脚光を浴びるも、戸惑いもあったという。是枝監督の演出が独特だったためだ。『誰も知らない』の撮影現場では脚本は渡されず、柳楽は撮影現場での自然な感情そのままに少年を演じていた。それゆえのリアルな表情だった。カンヌ受賞後、タイプの異なるさまざまな監督たちの演出にすぐには対応できず、俳優として悩む時期があった。高校卒業後に飲食店でのアルバイトを経験し、また2012年には故・蜷川幸雄さん演出の「海辺のカフカ」で初舞台に取り組むなど、積極的に新しいことに挑戦し、人間としての幅を広げることに努めた。やがて主演ではなく助演という形で、アイヌの若者を演じた『許されざる者』(2013)やストーカー役の『闇金ウシジマくんpart2』(2014)などで存在感を見せるようになる。

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