2019/05/10 14:58

犯人が出演『アメリカン・アニマルズ』監督が語る「実話」映画化の責任

「実話」の映画化に挑んだバート・レイトン監督
「実話」の映画化に挑んだバート・レイトン監督

 アメリカで実際に起きた窃盗事件を描く映画『アメリカン・アニマルズ』のバート・レイトン監督が9日、ヒューマントラストシネマ渋谷で行われた来日記念イベントに出席し、事件を起こした犯人たちを出演させた経緯を語った。

 2004年にケンタッキー州トランシルヴァニア大学の図書館から時価1,200万ドル(約12億円)を超える画集を盗み出した4人の大学生の「実話」を描く本作。若手俳優が演じているが、事件後に服役した4人(ウォーレン・リプカ/スペンサー・ラインハード/エリック・ボーサク/チャールズ・T・アレン2世)も登場して当時を振り返っており、ドキュメンタリーとドラマが入り混じった作風も注目を浴びた。
 
 レイトン監督は、「しっかりと教養のある学生たちが、なぜ大きなリスクを犯してまで窃盗を計画したのかに興味があった」といい、獄中の4人と手紙のやり取りを重ね「特別な人生を送らないと意味のない人生になってしまうというプレッシャーに押しつぶされそうになっている若者たちを描こうと思った」とこの事件を題材に選んだ理由を述べた。
 
 ドキュメンタリー映画『ジ・インポスター(原題) / The Imposter』で英国アカデミー賞最優秀デビュー賞を受賞したレイトン監督。事件を起こした当人を登場させるのであれば、ドキュメンタリー映画にするという選択肢もあったが、ドキュメンタリーとドラマのハイブリッドで物語を紡ぐことを選んだ。
 
 当初こそ「(学生たちが)自身のアイデンティティーを探していくストーリーに重点を置き、音楽やカメラワークを含め描いていた」とドラマを重視していたというが「ファンタジー色が強くなるにつれて、『この話は実話なんだ』ということをしっかり実感してほしくなった。だから実際に事件を起こした4人に登場してもらうことにして、ドキュメンタリーの部分も入れたんです」と説明した。
 
 また、レイトン監督はこの映画が「実話に基づいた話」ではなく「実話」であることを強調する。「“実話に基づいた作品”とクレジットされる映画は多数あります。最後に実際の映像を入れる手法も。でもそれは監督や脚本家に、(実話を)作り話にする言いわけを与えているだけなんです。こうした傾向を皮肉って“実話”と表現することにこだわったんです」。
 
 最後に「出来上がった映画を観て、実際に罪を犯した4人はどう思ったのか?」と問われたレイトン監督は「(彼らがとった行動を)恥じる部分もあると話している人もいましたが『しっかり真実を描いてくれている』という感想をもらいました」と報告していた。(磯部正和)

映画『アメリカン・アニマルズ』は5月17日より新宿武蔵野館ほかにて公開

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