2019/05/23 17:11

宗教の名の下に、先生を殺すという考えに取りつかれた少年…ダルデンヌ兄弟が描くリアルと希望【第72回カンヌ国際映画祭】

映画『ヤング・アーメッド(英題)』より Christine Plenus
映画『ヤング・アーメッド(英題)』より Christine Plenus

 カンヌ国際映画祭の常連、ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟の新作は、イスラム教の狂信者となり、学校の先生を殺すという考えに取りつかれた少年を描く映画『ヤング・アーメッド(英題) / Young Ahmed』だ。本作は現在開催中の第72回カンヌ国際映画祭でコンペティション部門に出品されており、ダルデンヌ兄弟が『ロゼッタ』『ある子供』に続き3度のパルムドール獲得となるかも注目されている。

 ベルギーで暮らし、イスラム教徒の父と白人の母を持つ13歳のアーメッドを主人公にした本作。ダルデンヌ兄弟は余計な説明はなしに、ビデオゲームに夢中な普通の子供だったが最近、イスラム教の狂信者に急変したアーメッドの姿を淡々と見せていく。まだ幼さの残るアーメッドだがその心はあまりにも頑なで、母親やカウンセラーといった周囲の人間の試みもむなしく、宗教的な敵とみなした先生を何が何でも殺そうとする……。

 現地時間21日に行われた公式会見でリュックは「宗教がいかに人間を魅了し、完全に変えてしまい得るかということを描いた」と説明。「たくさんの人たちが彼のためを思ってベストを尽くすが、うまくいかない。狂信者は自分が正しいと信じて切っていて、聞く耳を持たないから。だからこういう人たちは恐ろしい」とアーメッドと周囲の関係はリアルに徹して描き出したと語った。

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