2017/10/01 17:00

『聲の形』はいじめっ子を美化する作品? 公開めぐり、中国政府と観客に温度差が生じたワケ

 こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。

 9月8日、京都アニメーション製作のアニメ映画『聲の形』が中国で公開されました。

 本作は大今良時氏の同名漫画が原作で、聴覚障害を持つヒロインの少女・西宮硝子と、彼女をいじめたことがきっかけで孤立してゆく主人公の少年・石田将也の触れ合いを描いたもの。日本では昨年9月に公開され、全国120館規模ながら興行収入23億円を記録する大ヒットとなりました。


■作中には、現実問題が的確に描かれている

 僕は『聲の形』には、日本社会が抱える現実的な問題が内包されていると思います。作品序盤で聴覚障害者の硝子がいじめられた際、担任教師とクラスメイト全員が、まるで傍観者のように彼女を嘲笑します。その後、硝子の母親が壊された補聴器の請求のために学校に抗議したことにより事態は一転し、硝子を率先していじめていた将也は、自身がいじめられるハメになります。障害者を露骨に差別するクラスメイトの植野直花は「硝子がろう学校や特別支援学級ではなく、一般学級に通学するがゆえにクラスメイト全員に迷惑がかかる」と説くのですが、確かにハンデを背負った人物が原因で多くの人に負担がかかるという例は珍しくありません。

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