2017/10/20 23:30

子宮という名のブラックホールに吸引される男たち 泥沼恋愛の結末『彼女がその名を知らない鳥たち』

 快楽殺人鬼というどうしようもない社会的不適合者でも、世界で誰かひとりの役には立っているかもしれない。沼田まほかる原作小説の映画化『ユリゴコロ』は、フィクションならではの振り切ったミステリーだった。残念だったのは、少数の人間しか共感できないテーマの作品を、人気キャストを配しているという理由だけで全国300スクリーンで一斉公開した配給会社の心理のほうがよっぽどミステリーだったということだ。公開規模は『ユリゴコロ』の1/3ほどだが、蒼井優&阿部サダヲがダブル主演した『彼女がその名を知らない鳥たち』も同じく沼田まほかるの同名小説の映画化。実録犯罪映画『凶悪』(13)や『日本で一番悪い奴ら』(16)で脚光を集めた白石和彌監督が、痴情のもつれによる男女の泥沼劇を腰の据わった演出で撮り上げている。

『彼女がその名を知らない鳥たち』(以下『かの鳥』)の主人公である十和子役の蒼井優が、かつてなくエロい。十和子(蒼井優)は、ひと回り以上年上の男・陣治(阿部サダヲ)と同棲しているが、生活費はすべて陣治に払わせ、1日中マンションに籠ってはDVDをダラダラ観ながら、あちこちにクレームを付けまくるダウナーな日々を送っている。クレーム対応したデパートの売り場主任・水島(松坂桃李)が思いのほかいい男だったので、とりあえずホテルへGO。水島は妻子持ちだが、キスがやたらとうまい。ホテルでの行為中に十和子に「あー、と言って」と命じるなど、テクニシャンぶりを見せる。行為を終えた後は、タクラマカン砂漠の美しさについて語るなどのピロートークにも抜かりない。水島のSEXフルコースに十和子は身体の芯から酔いしびれる。

今日の運勢

おひつじ座

全体運

あなたの持つ感受性が注目される日。作品づくりをしてるなら発...もっと見る >