2018/02/22 17:00

ミニマムな視点を普遍の世界に結実。世界にも届く映画『かぞくへ』の力

たとえば旭は、結婚資金に手をつけたことを佳織に咎められ、最初は平謝りするしかありません。そして、その金を取り戻そうと朝から深夜まで働くことになりますが、一緒に住んでいながら佳織と顔を合わせる時間さえ失い、心がすれ違っていきます。その悪循環をどうにか好転させようと、旭は彼女の不満を愚痴ひとついわずに受け止め続けます。しかし、働きづめで身も心も疲れ果てたとき、逆切れして彼女につい当たってしまう。さらに結婚式の食事メニューを決める日に、タイミング悪くどうしても外せない約束ができてしまい、自らに起きた試練を憂います。

このように、特に奇をてらった設定ではなく、誰もが人生で一度は経験しそうなシチュエーションを積み重ねながら、旭の感情の変化を実に丹念に描き出していきます。そうすることで、旭の苦悩や苦痛が浮かび上がってくるのです。

登場人物たちの言動のすべてが、人間の本質をついている

本作を見ていると、旭に限らず、劇中に登場する人物たちがさらけだす感情、口に出す言葉、行動のすべてが人間の本質をついているように思えてきます。それぐらいのリアリティが宿っています。

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