2018/04/07 09:30

血のりボールをぶつけ闘ったHIV陽性者たちの鼓動【ブルボンヌの新作批評29】

(c)Céline Nieszawer

カンヌ国際映画祭グランプリ&国際映画批評家連盟賞を受賞、という華々しい冠だけでこの映画を観た人は、その激しさと深刻さに面食らったかもしれない。ゲイの女装パフォーマーとして、LGBTに関わる作品について語らせていただく機会も多い身だが、カンヌ審査員長を務め、ゲイであることを公言しているペドロ・アルモドバル監督の「素晴らしかった!最初から最後まで心を打たれた」という言葉をそのままなぞりたい。というか、打たれすぎて劇場を出た後もしばらく、体の奥でそのビート=鼓動が響き続けていた。

表面的な正しさや常識に基づく嫌悪感を浮き上がらせる

(c)Céline Nieszawer

90年代初めのパリを舞台に、HIV/エイズへの偏見と差別と闘う実在の団体「ACT UP Paris」を通して描かれる物語。公開してしばらく経ったのを言い訳に、ネタバレもありで想いを綴りたい。

まず、とくに日本では大半の観客が感じるであろう「ここまで過激なやり方を認めるべきか」という抵抗。形ばかりの公的会議や、認可を進めない製薬会社に乗り込み、血のりボールを投げつけるという強烈な抗議は、それだけで主人公たちへの嫌悪感にもつながる。

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