2018/05/25 17:30

是枝裕和監督に聞く―自分の中に溜まったものを一度溶かして作った映画『万引き家族』

是枝裕和監督

1988年に発生した「巣鴨子ども置き去り事件」をモチーフに、社会から取り残された子どもたちの生命力あふれる姿を描いた『誰も知らない』。「子どもの取り違え」をテーマに、「親子の関係性を築くのは時間か? 血か?」という問いを投げかけた『そして父になる』。そのときどきに惹かれる題材をオリジナル脚本に落とし込み、新しいホームドラマに挑戦し続けてきた是枝裕和監督が今回新たに撮ったのは、犯罪を生業に都会の片隅で暮らす一組の家族だ。最新作『万引き家族』についてひもときつつ、20年以上映画をつくり続けて感じたことなどを聞いた。

新しい役者と組むことで広がる映画の可能性

(C)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.

Q:本作は2016年ごろ、親の死亡を隠して年金を不正に受給していた家族の事件から着想を得たそうですね。

(C)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.

きっかけはそうですが、他のさまざまな気になることも複合的に絡み合っているんです。例えば『そして父になる』を撮ったころは、「女性は子を産んだら自然と母親になる」という実感がありました。その後、さまざまな本や実際の話に触れ、「女性も男性と同じように、産んだからといって母である実感を必ずしも持つわけではない。持つべきだという考えは、ある種の抑圧になる可能性がある」ということがわかってきた。それで「子は産まないけれど母になろうとする」という話を撮ろうと思いました。それとは別に「家族の万引き」という題材もあって、自分の中に溜まっていたものを一度溶かして描き下ろしたという感じです。

今日の運勢

おひつじ座

全体運

あなたの持つ感受性が注目される日。作品づくりをしてるなら発...もっと見る >