2018/08/14 07:00

藤井七段は想定外!映画界に押し寄せる「将棋」の波

脱サラ棋士・瀬川晶司五段の自伝的小説を映画化する『泣き虫しょったんの奇跡』(9月7日公開)。先日おこなわれた完成披露試写会で、主人公を演じる松田龍平が、初めは非常に将棋が弱かったが特訓によって上達し、今ではプライベートでもハマっていると、共演者の新井浩文から明かされた。

松田のみならず、全国で空前の“将棋ブーム”が到来中だ。7月31日には、高校生棋士の藤井聡太七段が、史上最年少・勝率歴代1位タイで通算100局目を迎えたことも話題となったが、その波は映画界にも押し寄せている。

3人の名優が演じた将棋界の伝説

2017年に人気将棋マンガを実写映画化した『3月のライオン』。主人公の零を神木隆之介が、零を慕う二海堂晴信を染谷将太が演じた同作。染谷が特殊メイクで二海堂の「むっちり体型」を再現したことも話題となったが、その二海堂のモデルとされているのが、実在した棋士、村山聖九段。

村山九段は幼い頃から体が弱く、対局中に体調を崩すこともあったものの、羽生善治竜王と並んで「東の羽生、西の村山」と言われるほどの実力の持ち主だった。生まれつき体が弱いながらも、将棋に対しては誰より熱い思いを抱く二海堂晴信とまさに同じだ。ちなみに、藤井聡太七段が『3月のライオン』で一番好きなキャラクターも二海堂だという。

病気により29歳でその生涯を終えた村山九段だが、幼少期から将棋にすべてを捧げてきたその生き様は複数の書籍、漫画に残されている。大崎善生著の『聖の青春』は、2001年に藤原竜也主演でドラマ化、2016年には松山ケンイチ主演で映画化された。

松山は、役作りのために20kg以上も体重を増量し、役に挑んだ。羽生棋士役を演じた東出昌大との対局シーンでは、2時間半に及ぶ長回し撮影に挑み、緊迫感と臨場感に満ちていた。同シーンを観た佐藤天彦名人は「ものすごい迫力で村山さんと羽生さんの戦いを表現していると同時に、これは松山さんと東出さんの真剣勝負、闘いでもあるのではないかと思わされました」とコメントするほどだった。

漫画の世界を超えてしまった藤井七段

『3月のライオン』で神木が演じた桐山零は、藤井七段と同じく中学生でプロデビューし、17歳で五段という「高校生プロ棋士」。藤井七段は14歳2ヶ月でプロデビューし、中学生のうちに第11回朝日杯将棋オープン戦、準決勝で羽生竜王に勝利、決勝でも広瀬章人八段を破り、史上初の中学生棋戦優勝者に輝き六段に昇段……と、まさに「漫画を超えた」活躍を見せた。

この大会以前、2017年の時点ですでに『3月のライオン』原作者の羽海野チカは「漫画の主人公の桐山君より強い中学生が現れてしまいまして一体どうしたらと…」とツイッターでコメントしていたが、さらにそれを上回る好成績を叩き出し続けている藤井七段。彼のドラマチックすぎる将棋人生が映画化される日も、そう遠くはないかもしれない。

『泣き虫しょったんの奇跡』は、瀬川晶司五段著の自伝小説が原作。1度は将棋の道を諦めサラリーマンとなった“しょったん”こと晶司が、再びプロ棋士を目指す実話を描く。本作には、ドラマ版「聖の青春」で村山九段を演じた藤原竜也と、映画『3月のライオン』で二海堂を演じた染谷将太も出演している。

思わぬところでリンクした3つの将棋作品。将棋ファンはもちろん、興味を持ったばかりの人も「聖の青春」、『3月のライオン』を観てから『泣き虫しょったんの奇跡』を観ると、楽しみも倍になるかもしれない。

(文/河村綾香)

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