2018/08/13 11:00

体重増もへっちゃら!? あのブロンド美女の壮絶な役作り

『タリーと私の秘密の時間』8月17日公開 (c)2017 TULLY PRODUCTIONS.LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

ハリウッドを代表する美人女優シャーリーズ・セロン。177cmのすらりとしたプロポーションに、ブロンド&ブルーアイ……8月7日に43歳を迎えたばかりですが、そのゴージャスな美貌は今も一向に衰えることはありません。

ところがそんな美しすぎる素顔に反して、女優として高い評価を得た作品は、“美女”とはかけ離れたキャラクターばかり。その変貌ぶりから、しばしば“カメレオン女優”と称されるセロンの魅力に迫ってみたいと思います。

“金髪美女”のステレオタイプを打ち砕く、役への強烈なこだわり

女優デビュー作『2 days トゥー・デイズ』(1996年)しかり、キアヌ・リーブスの妻役に抜擢された『ディアボロス/悪魔の扉』(1997年)しかり、キャリアの初期は、“セクシーなブロンド美女”というイメージが先行していたセロン。そんな彼女が、観客のド肝を抜く変貌ぶりを見せつけたのが、28歳の時に主演した『モンスター』(2003年)でした。

セロンが演じたアイリーン・ウォーノスは、1989年から1990年にかけて連続殺人を犯した実在の人物であり、加熱するマスコミ報道で“モンスター”とまで呼ばれたシリアルキラー。2002年の死刑執行にいたる過程で、アイリーンはすでに全米中に知れ渡った存在でした。そこで、セロンは役になりきるため、大量のドーナツを食べ続けて13kgも増量したうえ、表情に狂気を宿らせるため、眉毛を剃り落とし、義歯までつけるという超ストイックな役作りを敢行。恐怖すら感じさせるビジュアルの説得力が生む圧巻の演技力で、これまでのイメージを一新させると、米アカデミー賞主演女優賞初ノミネートにして初受賞を果たしたのです。

オスカー獲得後、役の幅を広げたセロンは、過酷な状況に立ち向かうタフなキャラクターを演じることが増えます。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015年)での片腕の女戦士・フュリオサ大隊長役では、自ら丸刈り頭になることを監督に提案。さらに、女スパイを演じた『アトミック・ブロンド』(2017年)でも、劇中の超ハードな全てのアクションをこなすために、1日5時間のトレーニングを行い、撮影中は歯が欠けるという大怪我を負っても、撮影を続行する女優根性を発揮。セロンは、「役になりきるためなら何でもする」という超ハードコアな姿勢を見せつけてきたのです。

(c)2017 TULLY PRODUCTIONS.LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

18キロの増量で、疲れ果てた3児の母を熱演!

こうしてキャリアを積み上げてきたセロンですが、主演最新作『タリーと私の秘密の時間』(8月17日公開)でも、ストイックな役作りで撮影に臨み、その美貌をかなぐり捨てたリアルすぎる演技を披露しています。

監督ジェイソン・ライトマン、脚本ディアブロ・コディ、主演シャーリーズ・セロンという『ヤング≒アダルト』(2011年)チームが再集結した本作は、3人目の出産・育児で疲弊する女性マーロが主人公。もともと着想のきっかけが、3人目を出産したばかりのコディの実体験だったというだけあって、育児に疲れたママのエピソードが超リアルに描かれています。

(c)2017 TULLY PRODUCTIONS.LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

例えば、食事を作る元気もないマーロが、家族と一緒に冷凍ピザの夕食を囲むシーン。子どもがこぼした飲み物でマーロのTシャツが汚れてしまい、それを投げやり気味に脱ぎ捨てると、色気ゼロのベージュの巨大ブラジャー姿に。そこには、無駄な贅肉たっぷりのぽんぽこりんのお腹が! それを見た子どもが「ママ、その身体どうしたの?」と思わず質問してしまうほどの体つきを披露しています。そう、本作では何と18kg(!)もの増量を実現させているのです。

そんなビジュアルのみならず、演技も実に繊細です。常に眠そうでうつろな表情や、手のかかる子どものわがままを前に我慢の限界……。子育て中心の人生に疲れ果て、今にも叫びだしそうなギリギリの精神状態にいるリアルな母親像を体現。実際に2人の子どもの母親でもあるセロン自身の経験も活かされているかもしれませんが、あまりに無気力なマーロの姿は、観ている側が辛くなるほど、真に迫るものがあります。

このマーロ役に挑んだセロンについて、ライトマン監督は「彼女にはこういう(チャレンジングな)役を引き受ける勇気があり、ひるまずに挑み、観客に媚びることは決してない。彼女は役のために必要なことを何でもやる」と称しており、惜しみない大絶賛を贈っています。

(c)2017 TULLY PRODUCTIONS.LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

傑出した美貌を持っていながらも、役のためなら容姿を変えることすら厭わないという徹底した信念を貫くシャーリーズ・セロン。ビジュアルのみならず、役のためなら何でもするという作品への真摯な姿勢こそがカメレオン女優たる所以なのでしょう。『タリーと私の秘密の時間』にもまた、そうした彼女の“女優魂”が込められているのです。

(文/ケヴィン太郎・サンクレイオ翼)

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