2018/08/24 11:00

4週連続No.1ヒット!“平均63歳”の名優たちが輝くドラマとは

『輝ける人生』8月25日公開 (c)Finding Your Feet Limited 2017

イギリスで4週連続No.1ヒットとなった感動ドラマ『輝ける人生』(8月25日公開)。熟年離婚を余儀なくされ、悲嘆に暮れる毎日を送る主人公・サンドラ(イメルダ・スタウントン)を筆頭に、本作に登場するのは、愛妻を亡くした男性や、5回の離婚歴を持つ美人弁護士といった複雑な過去を抱えたシニアの男女ばかり。

けれど、活気のあるダンス教室を舞台にした本編には、軽快なレゲエやスイング・ジャズ、R&Bナンバーで彩られ、今をポジティブに生きる術がふんだんに描かれています。人生に絶望していたサンドラの“復活”を例にして、そのいくつかを紹介してみたいと思います。

まずは心を開くこと!人の助言は素直に聞くべし

物語は、豪邸と広い庭が立ち並ぶイギリスのサリー州から幕を開けます。35年間連れ添った夫が“ナイト”の称号を授与され、自身も“レディ”となったサンドラ。夫の退職記念パーティーでの彼女は、自慢の夫を支え続けたことへの誇りに満ち溢れています。

ところが、そのパーティー中に、最愛の夫と親友との浮気現場に遭遇。一転して、住む場所も、生きる目的すらも失った彼女は、ロンドンの古びた団地に一人で暮らす姉・ビフ(セリア・イムリ―)のもとへと転がり込むことになってしまうのです。

自分の殻に閉じこもり、寂しさをやり過ごそうとするサンドラですが、中華料理店で差別発言を吐きまくり警察沙汰になったり、おんぼろ車に乗るビフの友人・チャーリー(ティモシー・スポール)に高圧的な態度を取ったり……。そんな妹を見かねて姉が言い放つ言葉が、実に的確です。「あなた、何様のつもり? 財産も称号もここでは通用しないのよ。偉そうな態度を改め、もっと心を開きなさい」

ビフは、お金や名誉とは無縁の気ままな人生を謳歌してきた自由人。心を解放できずにいる妹に対して、「昔、感情を表す人は弱いと言われたけどそれは違う。封じ込めたら、逃げ場がない」「死ぬのを恐れているからって、生きることまで恐れないで」と名言を連発! 人生を楽しむ達人であり、実の姉だからこそ言える言葉の数々が、頑なだったサンドラの心を少しずつ解きほぐしていくのです。

(c)Finding Your Feet Limited 2017

大好きなダンスと出会って人生が好転!

ある日、ビフは父親が撮った昔の8mm映像をサンドラに観せます。そこには母親の手作りドレス姿で、嬉々としてダンスを踊るサンドラが映し出されていました。「私、幸せそうね……」。思わずそうつぶやいた妹を見て、ビフは半ば無理やりに、シニア向けのダンス教室へと連れ出すようになります。最初こそ、しぶしぶ通っていたサンドラも、ダンスを心から楽しむ集団に触れているうちに、踊る楽しさを徐々に思い出していきます。

ちなみに、教室の仲間たちの中には、62歳のイメルダ・スタウントン、66歳のセリア・イムリーら以外に、15名の元プロ・ダンサーが参加。彼らは150名以上のオーディションから選出された実力者で、60~70代ながら躍動感たっぷりのダンスを披露しています。

彼らが踊るダンスシーンはいずれも必見ですが、中でもイギリスきっての観光名所であるピカデリー・サーカスでのゲリラライブ&ダンスは最高! 50名のエキストラ、600名の観衆を交えて2時間かけて5回も撮影されたというダンスシーンは、「ラン・カン・カン(Ran Kan Kan)」、「ロック・アラウンド・ザ・クロック(Rock Around the Clock)」といったオールディーズの選曲も絶妙。なにより輪の中心で、今にも飛び跳ねんばかりに踊るサンドラの表情は、“レディ”の時とは違って、生命力に満ちあふれているのです。

(c)Finding Your Feet Limited 2017

大好きなダンスに触れ、本来の気さくな自分を徐々に取り戻していくサンドラ。離婚後の家財整理で、愛着のあるサリー州の豪邸を訪れた時に、かつての親友であり夫の浮気相手と鉢合わせするという最悪な場面に出くわします。そのシーンが実に爽快で、サンドラが「腐って異臭のするクソアマ」と“レディ”だったころには考えられない暴言を吐き捨て、実に晴れ晴れとした表情を見せるのです。

それらは、“妻だった自分”への未練を断ち切るため。決して褒められた言動ではないかもしれませんが、姉のビフやダンス仲間が、そばで見守ってくれたことで、サンドラは大胆になれたのです。

(c)Finding Your Feet Limited 2017

「肝心なのは(ダンス教室に通う)彼らが孤独ではないということよ。集団の一員でいるということは本当に大事なこと。人間の寿命が延びている中で、彼らは元気に生きている。喧嘩もすれば、希望も抱く。私はそうことをすごく魅力的に感じるわ。この映画の中でダンスは、私たちの内なる感情すべてのメタファーなの」

これは、数多くの舞台やミュージカルに出演し、イギリスで最も権威があるとされるオリヴィエ賞を多数受賞している名優イメルダ・スタウントンの言葉。物語が進行していくにしたがって、ビフが一人で生きる決断をした理由や、避けることのできない厳しい現実が徐々に明らかにされていきますが、彼女の言葉にもある通り、希望が感じられる結末となっています。

最初こそ人生に絶望していたサンドラが、しだいに笑顔を取り戻していったように、『輝ける人生』は観るだけでエネルギーをチャージできる作品です。

(文/晴スミス・サンクレイオ翼)

今日の運勢

おひつじ座

全体運

運気はやや不安定。いいかげんな人にふりまわされるかも。でも...もっと見る >